季節の雑学

8月の季語一覧まとめ!俳句や花、この時期の時候の挨拶、使い方や例文も

猛暑の日々が続く8月…この時期の季語を一覧にするとどんなものがあるのでしょうか。また、それを使った俳句や、時候の挨拶なども気になりますね。
そのため今回は、「8月の季語一覧まとめ!俳句や花、この時期の時候の挨拶、使い方や例文も」をご紹介します!^^

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8月の季語と俳句

出典:http://ur2.link/CQKW

では早速、8月の季語を使った俳句をご紹介していきます。

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8月の季語を使った俳句の一例

秋近し/あきちかし
【例句】涼しさの 腹にとほりて 秋ちかし
【作者】正岡子規(まさおか しき)

秋を待つ
【例句】岐阜提灯 ともして秋を 待つこころ
【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)
【補足】岐阜提灯は伝統工芸で、美濃和紙などを使った卵形のものです。

朝顔/あさがお
【例句】咲きつづく 朝顔市の 朝顔よ
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

団扇/うちわ
【例句】へなへなに こしのぬけたる 団扇かな
【作者】久保田万太郎(くぼた まんたろう)
【補足】「団」の文字は「まるい(丸い)」の意です。

盂蘭盆会/うらぼんえ
【例句】盂蘭盆や 槐樹の月の 幽きより
【作者】飯田蛇笏(いいだ だこつ)
【補足】仏教で言うところの盂蘭盆会を省略したものが「お盆」と呼ばれます。

送り火/おくりび
【例句】送り火の おのが生みたる 風に消え
【作者】鷹羽狩行(たかは しゅぎょう)

迎え火/むかえび
【例句】歩き来る 人見えにけり お迎火
【作者】長谷川かな女(はせがわ かなじょ)

踊/おどり
【例句】すすむより しざる踊の 威儀くづれ
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)
【補足】例句の「踊」とは、盆踊りの意味です。

蚊帳/かや
【例句】ふる蚊帳の 中のあまりに 月清し
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
【補足】蚊帳は、中国から日本に伝わってきたものです。

夏の海/なつのうみ
【例句】高根より 礫うち見ん 夏の海
【作者】池西言水(いけにし ごんすい)
【補足】「礫」の読みは「つぶて」であり、小石という意味です。

夏の月/なつのつき
【例句】うつし世に 妻はきよけし 夏の月
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
【補足】うつし世とは「現世(げんせ)」、つまり「この世」という意味です。

夏の夜/なつのよる
【例句】春の夜の 面ざしもなし 夏の月
【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

墓参/ぼさん
【例句】城山の 鍬の道照る 墓参かな
【作者】杉田久女(すぎた ひさじょ)

敗戦忌/はいせんき
【例句】敗戦忌 宵待草の 花群れて
【作者】十島三郎(としま さぶろう)
【補足】「敗戦忌」とは、終戦記念日という意味です。

秋の蝉/あきのせみ
【例句】仰のけに 落ちて鳴きけり 秋の蝉
【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

秋の日/あきのひ
【例句】沢蟹も 逃げ行く秋の 日ざしかな
【作者】夏目成美(なつめ せいび)

稲の花/いねのはな
【例句】湖の みづのひくさよ 稲の花
【作者】井上士朗(いのうえ しろう)

八月/はちがつ
【例句】八月の 桜落葉を 掃けるかな
【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

花火/はなび
【例句】半生の わがこと了へぬ 遠花火
【作者】三橋鷹女(みはし たかじょ)

【補足】了へぬは、「おえぬ(終えぬ)」と読みます。

蜩/ひぐらし
【例句】暁の 蜩四方に 起りけり
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
【補足】四方は、「よも」と読みます。

向日葵/ひまわり
【例句】向日葵に ひたむきの顔 近づき来
【作者】石田波郷(いしだ はきょう)

浴衣/ゆかた
【例句】宿浴衣 著馴れぬさまに 結ぶ紐
【作者】稲畑汀子(いなはた ていこ)
【補足】浴衣は、平安時代の湯帷子(ゆかたびら)に由来し、
____江戸時代から一般に流行し始めました。

盆灯篭/ぼんとうろう
【例句】子のための 盆灯籠は 居間に吊る
【作者】森 白象(もり はくしょう)

盆の月/ぼんのつき
【例句】盆の月 暫し燈籠と 重なりぬ
【作者】富安風生(とみやす ふうせい)

晩夏/ばんか
【例句】紅くして 黒き晩夏の 日が沈む
【作者】山口誓子(やまぐち せいし)

芙蓉/ふよう
【例句】残月や ひらかむ芙蓉 十あまり
【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)

撫子/なでしこ
【例句】なでしこや 海の夜明けの 草の原
【作者】河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)

赤蜻蛉/あかとんぼ
【例句】赤蜻蛉 筑波に雲も なかりけり
【作者】正岡子規(まさおか しき)

魂祭/たままつり
【例句】遺言の 酒そなへけり 魂まつり
【作者】炭 太祇(たん たいぎ)

走馬燈/そうまとう
【例句】走馬燈 おのれ淋しく 止りけり
【作者】後藤夜半(ごとう やはん)
【補足】走馬燈は、別名「回り灯籠(とうろう)」とも呼ばれます。

ここに挙げたのはほんの一例ですが、
その傾向として夏が最盛期から次第に終わっていく時期なだけに、
「花火」や「向日葵」、「浴衣」などのほか、
「秋の蝉」や「晩夏」など、秋の到来を思わせるものが多い
ことが特徴ですね。

またそのほか、お盆にちなんだものや終戦記念日といった、
死者を供養したり平和について改めて考えてみたりする日があることも忘れてはいけません。
そういう意味では、この8月はとても意味深い季節ですよね。

では、上記でご紹介した季語も含め、その他にどんな季語があるかというと・・・

その他の季語一覧

出典:http://ur2.link/R5dB

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その他8月の季語一覧

・八月
ねぶた
竿燈(かんとう)
山形花笠祭
草田男忌(くさたおき)
原爆忌
佃祭
・秋
立秋
文月
・初秋
・桐一葉(きりひとは)
・秋の星
・星月夜(ほしづきよ)
・硯洗
・七夕
・星合
・梶の葉
・天の川
・草市
・苧殻(おがら)
・真菰(まごも)の馬
・茄子の馬
・溝萩(みそはぎ)
・盆仕度
・盆道(ぼんみち)
・盆花(ぼんばな)
・水巴忌(すいはき)
・門火(かどび)
・迎火
・盆
・盆休み
・中元
・棚経(たなぎょう)
・魂祭(たままつり)
・生身魂(いきみたま)
・蓮の飯(はすのめし)
・盆竈(ぼんがま)
・施餓鬼(せがき)
・墓参
・燈籠(とうろう)
・盆東風(ぼんごち)
・盆の月
・踊
・終戦記念日
・深川祭
・流燈(りゅうとう)
・精霊舟
・送り火
・大文字
・逆の峰入
・解夏(げげ)
・林火忌(りんかき)
・処暑(しょしょ)
・相撲
・藤村忌
・蜩(ひぐらし)
・法師蝉(ほうしせみ)
・秋の蝉
・赤蜻蛉
・秋の螢
・残暑
・秋旱(あきひでり)
・秋めく
・初嵐
・新涼
・秋の雷
・稲妻
・流星
・芙蓉
・木槿(むくげ)
・臭木(くさぎ)の花
・鳳仙花
・白粉花(おしろいばな)
・茜草(あかね)
・朝顔
・弁慶草
・みせばや
・大文字草
・西瓜
・南瓜
・藤豆
・新小豆
・新豆腐
・大根蒔(ま)く
・地蔵盆
・茗荷の花
・赤のまま
・蓼(たで)の花
・溝蕎麦(みぞそば)
・薮からし
・水引の花
・懸煙草(かけたばこ)
・カンナ
・芭蕉
・稲の花
・不知火
・鳩吹く
・秋の芽
・八月尽(はちがつじん)

いかがですか?

一見するとお判りいただけると思いますが、数の多さもさることながら、
やはり8月という季節がら「盆休み」や「踊(盆踊りの意)」、
「解夏」、「処暑」といった夏にちなんだものが多い
ことが8月の季語の特徴です。

次は、8月の季語を使った時候の挨拶をご紹介します。

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8月の時候の挨拶

出典:http://ur2.link/a2vm

まずは、改まった相手に対しての例文です。

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改まった相手に対しての挨拶例文

  • 残暑凌ぎ難き候
  • 土用明けの暑さ一段と厳しき折から
  • 吹く風に秋の気配を感じるこの頃
  • 暦の上では秋立つ日となりましたが
  • 残暑ひときわ身に染む昨今でございますが

などが挙げられます。

やはり「~候」や「~折」が付いていることで、丁寧さが伺えますね。
会社や取引先の上司に手紙を出すのであれば、ぜひとも覚えておきたいものです。

次に、親しい相手に対してです。

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親しい相手に対しての挨拶例文

  • 厳しい暑さが続いておりますが
  • 残暑がいっそう身にこたえる毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか
  • 眠れぬ熱帯夜が続いていますが
  • 立秋とは名のみの厳しい残暑が続いております
  • 蝉時雨のにぎやかなこの頃
  • お盆休みはどこかに行かれましたか
  • 涼しい季節が待ち遠しい今日この頃
  • 朝夕にはかすかに秋の気配を感じます
  • すすきの穂もちらほら見かける昨今
  • 虫の声にようやく秋の気配を感じられる頃

いかがですか?

改まった相手への挨拶と比べて、
相手に近況を訪ねたりなど良い意味で肩の力が抜けていて、フランクな印象を受けますよね。

では続いて、8月の季語の使い方をご紹介します。

8月の季語の使い方

出典:http://ur2.link/TXON

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いお

盂蘭盆会
盂蘭盆会は「うらぼんえ」と読み、実は「お盆」の正式名称です。
ですので、この季語を使う場合は、
やはりお盆を過ごす際の神聖かつ厳かな気持ちを表現するべきと言えるでしょう。

不知火
不知火は「しらぬい」と読み、
九州の有明海や八代(やつしろ)海でこの時期に見られる蜃気楼(しんきろう)のことです。
なおその近辺ではこの現象によって秋の訪れを知るため、
この季語を使うと、季節が次第に秋へと移り変わっていくのが想像できます。

解夏
解夏は「げげ」と読み、
仏教僧が毎年夏に行う夏安居(げあんご)という修行が終わることを意味します。
本来の解夏は陰暦で言うところの7月15日ですが、
これは現代では8月に当たるので、8月の季語となります。

鳳仙花
鳳仙花は「ほうせんか」と読み、インドや中国を原産とした一年草の一種です。
7月から9月にかけて咲くほか、種が勢いよく弾けることからその花言葉は「快活」や「短気」であり、この季語でそういった要素を含んだ表現ができると魅力的になります。

なおご紹介した使い方はあくまでも一例であり、
この他にも様々な季語の使い方があるので、覚えておくと便利ですよ。

では次に、時候の挨拶の使い方を上旬・中旬・下旬に分けてご紹介していきます。

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上旬

  • 季夏の候
  • 残暑の候
  • 残夏の候
  • 残炎の候
  • 炎暑の候
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中旬

  • 避暑の候
  • 新涼の候
  • 納涼の候
  • 初秋の候
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下旬

  • 暮夏の候
  • 晩夏の候
  • 秋暑の候
  • 立秋の候
  • 向秋の候

このように、上旬・中旬・下旬の全てにおいて様々な使い方ができるんですよ。

なお、これらはあくまでも一例であり、「~の候」を「~の折」また「~のみぎり」とすることもできるので、ぜひとも覚えておきましょう。

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8月の旬のおすすめ☆

「ぶどう発祥の地」と言われている山形県・南陽市で
栽培・収穫された「完熟デラウェアぶどう」です。
粒がとても大きく、年によっては25度を超える糖度が特徴。
その群を抜いた甘味をぜひ味わって下さい。

栃木県を流れる喜連川(きつれがわ)の新鮮な湧き水(井戸水)で育った「鮎の炭火焼き」です。
飲料水としても利用されている井戸水で育ったその味は言わずもがな。
一度食せば虜になること間違いなしです。

1年を通して太陽光が降り注ぎ、海風が心地良い高知県夜須産の「ルナピエナ」というスイカです。
立体栽培という珍しい方法で育てているので、濃厚な甘味と繊細な果肉が特徴。
ぜひ食べて夏を謳歌して下さい。

まとめ+関連記事

「いかにも夏」と思わせるものから、秋の到来を告げるものまで、様々な季語や俳句がある8月。これらをぜひ覚えて、俳句や時候の挨拶に活かしましょう!
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