家に入り込んできたヤモリを外に追い出そうと思って近づいたら、
尻尾を切り離して逃げちゃったんだけど、
再生するのよね?
なんだか悪いことした気分で...
ヤモリは切り離した尻尾を再生することができます!
ただ、完全に戻る可能性は低いです。
どれくらいで再生するかなど、ヤモリの尻尾について詳しく解説していくので参考にどうぞ!
この記事でわかること
- ヤモリの尻尾の再生について
- 何回も尻尾を切ったり、再生したりできるのか
- 他に自切(じせつ)をする生き物
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もくじ
【ヤモリの尻尾】自切した後再生するの?
ヤモリは自分で尾を切り捨てることができる
ヤモリは外敵から襲われると足や尾を自分で切って捨て、自分の身を守る行動を取ります。
これを「自切」といいます。
※自切の読み方:じせつ
自切というと、「みずから尻尾を切る」と考えがちですが、ヤモリは自ら切ろうと思って切っている訳ではありません。
外敵から襲われた際に、ヤモリの意思とは関係なく反射で起こる現象なのです。
そして、ヤモリの切れてしまった尻尾は、しばらくすると再生します。
しっぽの再生にかかる時間
再生にかかる期間は、大体だいたい1ヶ月から数ヶ月の期間がかかるようです。
数ヶ月で再生はされるのですが、尻尾の骨まで完全に再生することができないため、尻尾が切り離される前の完全な状態に戻ることはありません。
また、見た目も少し違ってきます。
再形成された尻尾は色が薄くて形も短く、太い尻尾になります。
再生された尻尾が切れたときも再形成されますが、再形成には必要な栄養もあるため、場合によっては再形成できずに尻尾が切れたままになっているヤモリもいます。
注意してほしいのが、尻尾の再生を実現させようと、無理矢理ハサミなどでヤモリの尻尾を切ってしまった場合は再生しないことがあります。
なので、無闇やたらと切らないようにして下さいね(^^;)
ヤモリの尻尾も、切れても大丈夫な部分とそうでない部分があるんでしょうね。
生物の身体は不思議がいっぱいですね。
何回も自切できる訳ではない
切れた尻尾は何回も生えてきて、何度も自切できると思っている方も多いですが、実はそうではありません。
基本的にもう二度と自切はできません。
これは、ヤモリの尻尾が切れる仕組みが関係しています。
ヤモリの尻尾には、いくつもの小さい骨がつながっています。
尻尾の生え際に脱離節という切れ目の部分が切れるため、骨も一緒に切れてなくなってしまいます。
新しく形成された骨には、この脱離節はありません。
そのため、ヤモリの自切は生涯で一回しかできないことなのです。
ただ、残った尻尾に脱離節が残っていた場合はもう一度切り離すことができますが、脱離節が残っている可能性は低いです。
また、再生した後の尻尾は完全に元通りになることはあまりなく、短くいびつな形になってしまうことが多いです。
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ヤモリの再生後の尻尾は短い
上のツイート写真のヤモリの尻尾は、短い上になんだか変な形をしていますね。
ヤモリの切れた尻尾は再形成されるのですが、骨まで完全に元通りに戻すことは出来ないので、元の尻尾と違い、短い尻尾になって再形成されます。
というのも、切れる前の尻尾には尾骨と言う骨がきちんと出来ていているのですが、尻尾が切れてしまうということは、この尾骨も折れてしまうことになります。
この尾骨が再形成されれば元の状態まで戻るのでしょうが、さすがにそこまで完璧に骨が戻すことは出来ず、再形成は軟骨で尻尾が作られます。
そのため、元の尻尾より太くて短い、いびつな形になってしまいます。
しっかりとした尾骨がベースにあって尻尾ができていないので、短い尻尾になってしまうんですね。
軟骨でできているので、長い尻尾だとぶらぶらな状態になってしっかり支えることが出来ないので、短い尻尾になってしまいます。
ヤモリの尻尾は切ると血が出るの?
自切した際は、血は出ないようになっています。
この際なぜ血が出ないかと言うと、元々切れ目になっていることに加え、脱離節面の筋肉がすぐに収縮して、出血するのを防いでいるためです。
血が出ているように見えるのは、自切したことによる出血ではなく、外敵に襲われた際に傷ついたのが原因の可能性が高いです。
切り口部分の筋肉が収縮し、さらに自分で尻尾を切った場合は切れた部分の血管の内側の壁が弁の働きをして血管をふさぐため、大量にドバッと血が出ることはないようです。
ただ、人が勝手にハサミ等で適当に尻尾を切断しても同じような結果が見られるわけではありませんので、本当に血がほとんど出ないのか観察するために、やたらとヤモリの尻尾を切るのはやめて下さいね(^^;)
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イモリやトカゲなど、他に尻尾を切る生き物は?
イモリやトカゲも尻尾は再生します。
ちなみに、ヤモリとイモリの名前がよく似ているので、どっちがどっちかわからなくなることありませんでした?
私はよくありました(^^;)
ヤモリとイモリは名前はよく似ているのですが、ヤモリやトカゲは「は虫類」に分類され、イモリは「両生類」に分類されていて、これらの種類によって再生方法が違うようです。
ヤモリとイモリの違いは?特徴・生態や見分け方、トカゲとも違う?
トカゲの尻尾切り
トカゲは「トカゲの尻尾切り」という表現があるくらいですから、ヤモリと同じように自分で尻尾を切るのですが、実はトカゲの全てが尻尾を切るわけではありません。
種類によって、尻尾切りをしないトカゲもいますし、さらに、中には切れた尻尾を再生しないトカゲも存在します。
トカゲの尻尾が再生するイメージが強いのは、ニホントカゲという日本でよく見かけるトカゲは尻尾切りを行うからですね。
ニホントカゲのような尻尾が再生するトカゲについては、再生の仕方もヤモリと同じで、尾骨は再形成されずに軟骨で形成されることになるため、完全には元通りになりません。
イモリは自切はしないが再生力は最強
また、イモリはヤモリやトカゲと違って両生類に分類され、自ら尻尾を切ることはしないのですが、尻尾を失っても完全に骨まで再生します。
この再生は尻尾だけでなく、体の半分くらいしかない場合でも再形成されますし、網膜、脊髄、脳の一部さえも再生できるようです。
再生能力はトカゲやヤモリよりも段違いに高度ですね^^
■ヤモリとイモリの違いに関しては別記事でもご紹介しています☆
【ヤモリとイモリの違い】簡単見分け表あり!特徴を写真付きで解説!
リュウグウノツカイ
海の生き物の中で、尻尾を切るのはリュウグウノツカイが有名です。
外敵に襲われピンチの時に尻尾を切るのは他の生き物と一緒です。
ですが、もう1つ尻尾を切る理由があります。
それは、消費エネルギーを減らすためです。
深海という過酷な環境で生きているため、栄養が不足することがあり、消費エネルギーを少しでも減らそうと尻尾を切ることがあるようです。
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ヤモリはなぜ自分で尻尾を切るのか
一番大きな理由は、自分の身を守るために、ヤモリは自ら尻尾を切っています。
外敵に襲われて自分の体に危険を感じると、意識的ではなく無意識的、反射的に尻尾を切ってしまいます。
なぜここまで簡単に尻尾が切れるのかというと、脊椎に自切面という節目があり、切れやすい構造になっているんです。
さらに、切れた尻尾は大体10分間、最大で30分くらい、ジタバタといろんな動きをすると言われています。
切れた尻尾は同じようなリズムで動いていたと思ったら、突然ジャンプしたり、とんぼ返りまでしたりと予測が難しい動きをするので、外敵がその尻尾に気を取られている間にヤモリはその場から逃げる事ができます。
こちらに切れたヤモリの尻尾が動き続ける動画があります。
このように、ヤモリの尻尾は色んな動きをするので、もし自分の体より遠い位置まで切れた尻尾が動いていくと、外敵はそっちに集中して自分の体から離れていくので、外敵からヤモリが逃げ切れる可能性が高くなります。
つまり、尻尾をおとりにして、自らの身を守るために尻尾を切っていることになります。
自らが生きるために考えられた習性なんでしょうね。不思議ですね。
もしかしたら、子供のころにヤモリの尻尾を掴んで持ち上げたら、そんなに力を入れていないのに尻尾が切れてヤモリの体が下に落ちて、ヤモリが逃げちゃったという経験をした人もいるかもしれません。^^;
そう、自分の手に残った尻尾がおとりになったんですね(^^;)
また、ヤモリが尻尾を自分で切るのは、その場の危機を回避するという事以外に、あともう一つあります。
ヤモリは尻尾をおとりにすることにより、外敵から無事に逃げ切ったあと、尻尾を切った場所にもう一度戻って、その切った尻尾を食べることがあります。
これは、尻尾に多く含まれている貴重な脂肪分を摂るためだと考えられています。
尻尾を再生するためにも、それなりの栄養分が必要なのでしょう。
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【まとめ】ヤモリの尻尾が切れるのは1回きり!
ヤモリの尻尾の自切について解説しました。
何回も尻尾は生えてきて自ら切ることができると思っている方も多いですが、実はそうではなかったんですね。
さらに、生えてきた尻尾も短く、少しいびつな形になってしまったりとヤモリは生きていくのがなかなかたいへんです。
もしヤモリが家に出て外に逃そうと思ったらそーっと逃してあげてくださいね!