野生のヤモリを捕まえたけど、餌や食べ物は家にあるもので代用できないかな?
虫を捕まえるのは大変…。
野生のヤモリの食べ物は「生きた虫」だけ!
虫を捕まえるのは大変だから、市販で買えるコオロギなどがおすすめだ。
さっそく生き餌の選び方を見ていこう!
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もくじ
ヤモリの餌や食べ物は家にあるもので代用不可!市販の生き餌を紹介
出典:photo-AC
結論からいうと、野生のヤモリの食べ物は「生きた虫」だけなので、飼育するにはコオロギなどの生き餌を用意する必要があります。
バナナや昆虫ゼリーなど、虫以外の家にある食べ物では代用できないため、無理に与えないようにしましょう。
また、自分の頭より大きな虫やダンゴムシなど硬い虫は、喉に詰まらせることがあるため、食べようとしません。
でも、ヤモリの食べ物として虫を捕まえ続けるのは大変すぎる…
ヤモリが食べる虫は意外と限られているため、安定して餌を用意してあげるのは難しく、おすすめしません。
そこで、市販で買えるヤモリの生き餌を2つご紹介します。
市販で買えるヤモリの生き餌2つ
- コオロギ(SまたはSSサイズ)
- ミルワーム
市販で生き餌を買えるなら、ヤモリを空腹にさせる心配がないね!
コオロギ:栄養価が高い
コオロギは、多くの爬虫類の食べ物に適した栄養バランスの良い生き餌です。
コオロギはペットショップだけでなく、通販でも購入することができますよ。
ただし、コオロギだけだと流石に栄養がかたよって「くる病」になってしまうため、長く飼い続けるならカルシウム添加剤も合わせることをおすすめします。
SS~Sサイズがおすすめ
市販のコオロギは、SSサイズ〜Lサイズのようにサイズ別に販売されています。
ヤモリは普段から、夜の灯りに集まった小さな蛾や羽虫を食べているため、SサイズかSSサイズのコオロギを選ぶことをおすすめします。
特に、生まれたての小さなヤモリは、大きなコオロギを与えると喉に詰まらせるどころか、踏み付けられて弱ってしまうので注意が必要です。
大きめのヤモリでも、自分の頭より大きいサイズの虫には見向きもしないため、まずは小さいサイズのコオロギを選ぶようにしましょう。
ただし、余った生き餌は絶対に逃がさないようにしてくださいね。
外来種を逃すことは生態系破壊につながるため、生き物好きとして一番やってはいけない行為です!
コオロギの飼育法
餌用だとしてもコオロギは生き物のため、当然コオロギ自体の飼育も必要になってきます。
コオロギの飼育に必要なもの
- 大きめのプラケースや衣装ケース
- 餌入れと水入れ
- 餌(野菜の芯やペットフードなど)
- まめな掃除や死骸の回収
コオロギを生き餌として飼育するのは手間やコストがかかるため、管理する覚悟がないならヤモリの飼育はあきらめたほうがいいでしょう。
コオロギは雑食のため餌に困ることはありませんが、汚れの掃除や共食いの対策がネックとなります。
ミルワーム:管理が楽だが栄養がない
ミルワームという甲虫の幼虫も通販や多くのペットショップで手に入ります。
ミルワームは成長を遅らせるため、購入したケースごと冷蔵庫で保管するのが基本です。
ミルワームの欠点として以下が挙げられるでしょう。
ミルワームの欠点
- ヤモリの栄養が偏る
- 大きさが1.5cm以上で小さなヤモリの飼育には向かない
ミルワームは脂質が多くタンパク質が少ない食べ物のため、ヤモリの栄養がかたより、くる病という病気にかかる可能性があります。
ただし、管理が楽なことは大きなメリットなので、ヤモリを捕まえたばかりの臨時用の餌として非常におすすめです。
小さいヤモリにとっては大きすぎるという欠点は、かわいそうですがミルワームをハサミで切ってあげるという手も。
まずはミルワームをあげて様子をみて、飼い続ける自信がない場合はヤモリを逃がしてあげるのがベストな選択ではないでしょうか。
【注意】アリやカマキリは絶対あげないで
ヤモリの食べ物として簡単に手に入りそうな虫といえば、アリやカマキリが思いつきますよね。
しかし、アリはヤモリに噛み付くことがあるため、飼育ケースに入れるのはやめておきましょう。
また、大きめのカマキリの場合、逆にヤモリが食べられてしまうことがあります。
筆者はヤモリが恐竜の化石のように骨だけになっているのを見て、子どものころ大泣きした経験があります…。
他にも、大きいクモや蜂など肉食の虫や、大きいバッタなどもヤモリに危害を加える可能性が高いため、絶対に一緒に入れてはいけませんよ!
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ヤモリが餌を食べない時の対処法
出典:photo-AC
ヤモリの食べ物として生き餌を用意しても、なかなか食べないことはとても多いです。
目の前に生き餌があるのに見向きもしない様子を見ていると、このまま死んじゃうのでは!?とすごく心配になりますよね。
でも安心してください。
ヤモリは、数日くらいご飯を食べなくても平気な生き物なのです!
したがって、ヤモリが生き餌を食べない時も焦らずに以下のように対処しましょう。
対処法はこれ!
- 初めの1週間は水を置いて見守る
- 餌や飼育環境を変える
- 生き餌は飼育ケースに放し飼いにする
- それでも食べない時は逃がす
ヤモリが餌を食べないときは、どうして食欲がないのか、ヤモリの気持ちを考えて対処することが大切です。
初めの1週間は水を置いて見守る
ヤモリの気持ち
- 慣れない飼育環境でストレス
- 喉が渇いている
捕まえてから1週間くらいは、何も食べなくても極力そっとしておきましょう。
捕まえたばかりのヤモリは、飼育環境にまだ慣れていないため、ストレスで何も食べないことが多いです。
そもそも、野生の爬虫類は毎日食べ物を食べているわけではありません。
そのため、無理に餌をあげようとするよりは、飼育環境に慣れさせるために静かに見守るのが一番良いのです。
ただし、喉が渇くと弱ってしまうため、小さな容器にきれいな水だけは入れておくようにしてください。
与える水は、腐りにくいという観点からも水道水をおすすめします。
どうしても飲んでくれているか不安なときは、天然水や直射日光でカルキ抜きした水道水を与えるのもいいですね。
餌や飼育環境を変える
ヤモリの気持ち
- 生き餌を警戒している
- 隠れられる場所がなく落ち着かない
意外と多いのが、コオロギやミルワームなどの生き餌を警戒しているパターンです。
野生のヤモリは、普段は灯りに集まった羽虫や小さい蛾を食べ物としているため、見慣れない生き餌が現れると怖がることがあります。
コオロギの場合は、前述のとおり小さいサイズ(SS〜S)を選ぶようにしましょう。
それでも食べてくれない場合は、自前で小さなバッタやクモを捕まえたり、Sサイズのレッドローチなど他の市販の餌を与えたりするのも良いでしょう。
さらに、飼育環境を広くしたり、隠れられる場所を作ってあげたりすることも効果的です。
飼育環境が自然に近づくことでヤモリのストレスや生き餌への警戒心をやわらげることができます。
生き餌は飼育ケースに放し飼いにする
ヤモリの気持ち
- 生き餌を警戒している
- 人を怖がっている
生き餌は、必要な分だけを取り出してヤモリの飼育ケースに放し飼いにようにしましょう。
野生のヤモリにいきなりピンセットで餌を与えようとしても、見向きもされないことがほとんどです。
また、人がずっと見ていることもヤモリのストレスにつながるためよくないです。
極力自然に近い状態にしてあげることで、生き餌に食いつく可能性も高まります。
それでも食べない時は逃がしましょう
ヤモリの気持ち
- やっぱり、自然にかえりたいな
- お腹に卵がいるからひとりでゆっくりしたい
- 冬越し前で食べ物に興味がない
ヤモリに限らず、野生の生き物を飼育することはハードルが高いです。
先ほどの対策をしても1週間以上何も食べない場合は、元いた場所にヤモリを逃がしてあげましょう。
ヤモリが日に日に衰弱して、最終的には死んでしまう…そのような悲しい光景は見たくないですよね。
また、お腹の大きいヤモリは卵を持っていてご飯を食べないことがあるため、逃がしてあげることをおすすめします。
ヤモリを逃がすときは、必ず元いた場所か、そこに近い環境に逃がすようにしてください。
さらに、不要となったコオロギやミルワームは逃がすのではなく、生ゴミとして処分するようにしましょう。
粗末にするのはかわいそうですが、外来種を自然に逃がすと生態系に悪影響を及ぼすため、処分するほかありません。
また、冬越しの季節が来るとヤモリは食欲がなくなります。
もし、ヤモリが秋に差し掛かって急に食べ物を食べなくなった場合も逃がすほうが良いでしょう。
ヤモリが家で冬場を乗り切るには温度管理が必要になるため、自信がない場合は逃がしてしまったほうが安心です。
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ヤモリの飼い方は?用意するものと注意点を解説
出典:photo-AC
ヤモリの餌についてお伝えしたところで、ヤモリの飼い方の基本もご紹介します。
ヤモリの飼い方の基本
- 用意するもの
- 注意点
- ① 定期的に掃除をしよう
- ② くる病予防について
- ③ ヤモリが卵を産んだら?
- ④ ヤモリの冬越しは難しい
本格的にヤモリの飼育を始めたい方はぜひ参考にしてください。
用意するもの
用意するもの
- 飼育ケース(蓋付きでプラスチック製のもの)
- 水入れ
- 生き餌
- 木の枝や隠れられる場所
上記がヤモリを飼う上で必要なものになります。
飼育ケースにガラスの水槽などを選んでしまうと、ヤモリが張り付きにくくなるためプラスチックのケースが理想です。
また、水入れの水や生き餌も切らさないようにこまめに管理をしましょう。
さらに、土を敷いてあげたり木の枝や枯葉で隠れ家を作って自然に近い環境を再現することで、ヤモリがリラックスしてくれます。
ヤモリは夜行性で暗いところを好むため、隠れ家にいいものがない時はペットショップで手に入るシェルターを用意してあげるといいですよ。
注意点① 定期的に掃除をしよう
ヤモリの飼育ケースからアンモニア臭がしたり、カビが生えたりした際はすぐに掃除をするようにしましょう。
劣悪な環境ではヤモリが弱ってしまいます。
掃除が面倒と感じた時は、思い切って逃がしてあげるのもいいかもしれませんね。
注意点② くる病予防に栄養剤や日光浴が必要
ヤモリの栄養が偏ると、くる病という病気にかかり、以下の症状が現れ、放っておくと死んでしまいます。
ヤモリがくる病にかかると
- プラスチックの壁にはりつけなくなる
- 指が沿ったままになる
- しっぽが不自然に曲がる
- 脱皮がうまくできなくなる
- 餌を食べなくなる
- 最終的には死んでしまうことも
野生のヤモリは、さまざまな昆虫やクモをバランスよく食べているため、くる病にはなりにくいです。
しかし、飼育下でコオロギしか食べない生活が続くと、カルシウムやビタミン、リンの不足などによってくる病を発症してしまうのです。
くる病対策や治療のためには、市販のカルシウム剤を添加したり、日光浴をさせたりすることが有効です。
日光浴をするとビタミンDができる、と聞いたことはありませんか?
ヤモリも人間と同じで、日光浴をすることでビタミンDを生成しています。
夜行性のヤモリでも、室内で飼育するときには、日光浴ができる環境作りが重要なのですね。
ヤモリのくる病予防におすすめなカルシウム添加剤はこちらです。
注意点③ ヤモリが卵を産んだら?
ヤモリが飼育ケースの壁やシェルターの中に卵を産むことがあります。
卵は受精卵しか孵化しないのが通常ですが、爬虫類の場合「単為生殖」といって、オスなしで産んだ未受精卵でも孵化することが比較的多くあります。
中から幼生(ヤモリの赤ちゃん)が生まれてくる場合は、初めは白色だったものがピンク色に変わってくるため、そっと見守りましょう。
シェルターの中に卵を産んだ場合は、念の為シェルターごと別のケースに隔離することをおすすめします。
注意点④ ヤモリの冬越しは難しい
野生のヤモリは、11月から3月頃までは家の壁のすき間や物陰でじっとして冬越しをしています。
完全に冬眠をするのではなく、少しだけ水を飲んだりしてなんとか生き延びています。
しかし、家の中でヤモリに冬越しを上手にさせるのは至難の業です。
ヒーターで温度管理をすることが必要になるため、10月の終わりには逃がしてあげて、また来年捕まえるほうが安心ですよ。
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ヤモリの生態や豆知識!ガラスには貼り付けない?
出典:photo-AC
ヤモリを飼育するなら、ヤモリの基本の生態は抑えておきたいですよね!
ニホンヤモリの基本知識
- 日本で見かけるヤモリのほとんどが「ニホンヤモリ」
- 全長は10~14センチ程度
- 民家やその近くに生息する
- 食べ物・餌はクモ、コオロギ、バッタ、ワラジムシ、蛾などの小さな虫
- 繁殖期は5月~8月頃。卵は1回に2〜3個生まれ、孵化に1ヶ月以上かかる。
ここまでは、知っている方が多いのではないでしょうか。
もう少し雑学的なヤモリの生態を見ていきましょう。
家族や友達に話すと、博識だと思ってもらえるかもしれません!
こんな豆知識を紹介
- ヤモリの手には「分子間力」が働いている
- ヤモリの尻尾は切れても動く
- ヤモリとイモリの違いとは?
ヤモリの手には「分子間力」が働いている!?
ヤモリがツルツルとした窓にペタッと張り付くことが出来るのは、指の腹に細い毛があるからなのです。
分子レベルなので目で確認することは難しいのですが、その凹凸を利用し、吸着しているんですね。
「分子間力」といえば、「ファンデルワールス力」と高校や中学の理科で習った方も多いのではないのでしょうか?
合わせて、共有結合、イオン結合、水素結合を習ったと思いますが、分子間力はそれらに比べると圧倒的に弱い力の結合です。
ヤモリの手のひらには無数の凹凸があり、磁石や静電気のように壁を吸い寄せる分子間力があるんですね。
その仕組み上、凹凸のないガラス面には、ヤモリは貼り付けないと言われています。
この、ヤモリのペタリハンドの謎は長らく謎に包まれていて、2000年になってやっと解明したそうです。
ヤモリを手のひらに乗せる時は、ぜひ分子間力を肌で感じてみてください。
ヤモリの尻尾は切れても動く
また、ヤモリは身の危険を感じると尾を切って逃げます。
切れた尾は、数分間くねくねと動いたりもします。
「トカゲの尻尾切り」ということわざがあるように、トカゲが尻尾を切るというのは広く知られていますが、ヤモリも尻尾を切るのですね・・・!
切れた尻尾が動くのは不思議ですが、これは、尻尾が切れてもまだ細胞が死んでしまっていないからなんです。
切れた尻尾は完全に元通りになるわけではなく、再生後は切れる前の尻尾より短くなってしまったりもします。
尻尾を切ることで天敵から身を守ることが出来ますが、刺激が加わることで反射的に切れてしまうこともあります。
ヤモリを捕まえようとして尻尾を掴んだり、驚かせたりするのはやめてあげましょう。
ヤモリとイモリの違いとは?
名前も見た目も似ている「ヤモリ」と「イモリ」ですが、ヤモリは爬虫類、イモリは両生類で、全く違う生き物です。
漢字で書くと「家守」「井守」と書くことからわかるように、「ヤモリは爬虫類」「イモリは両生類」といった大きな違いがあるのですね!
そのため、ヤモリはトカゲに近い生き物ですが、イモリはウーパールーパーやオオサンショウウオの親戚だといえるでしょう。
爬虫類は、トカゲ、ヤモリ、へび、ワニ、カメなど多様な進化を遂げていて面白いですよね。
ヤモリとイモリの違いについて詳しく解説している関連記事もあるので、よかったら読んでみてください!
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ヤモリは縁起がいい?
出典:canva
ヤモリは漢字で「家守」とも書き、古くから縁起の良い生き物であるといわれています。
その漢字から分かるように、ヤモリは人間に害を与えず、家や稲などに集まる虫(害虫)を食べてくれる「益獣」といわれ、古くから親しまれてきました。
アシダカグモと同様に、「家に出ると不快な生き物ランキング」の頂点に輝くゴキブリなどの衛生害虫を食べてくれるのはとても有難いですよね・・・!
大きなゴキブリは捕食しないものの、小さなものは食べてくれます。
また、ヤモリが住みつく家は火事などの災害が起きないともいわれています。
お寺や神社などでもよくヤモリを目にすることがありませんか?
そう考えると、縁起がいいと言われるのもなんだか納得できますよね。
その他にも、ヤモリは金運アップ、妊娠の予告など、縁起の良い事柄の象徴といわれています。
詳しくは、ヤモリの幸運についての関連記事で詳しく解説しているので読んでみてくださいね。
金運アップのヤモリを見かけた時は、財布を新調してみるのもいいかもしれません。
また、掃除をしたり、冷蔵庫の中身をきれいにすることも金運アップを増強させると言われています。
見た目が可愛いだけではなくご利益もあるヤモリ、大事にしていきたいですね。
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まとめ+関連記事
ヤモリの飼い方まとめ
- ヤモリの餌・食べ物は生きた虫以外では代用できない
- ヤモリに生き餌を買うなら
- SサイズかSSサイズのコオロギ
- ミルワーム
- ヤモリが餌・食べ物を食べない時の対処法
- 水だけ与えてそっとしておく
- 飼育環境を整える
- 生き餌を変える
- 1週間何も食べない場合は逃がす
- ヤモリの「くる病」対策
- 日光浴できる環境にする
- カルシウム剤を添加する
- その他注意点
- 大きいカマキリやバッタを与えてはいけない
- 余った生き餌は逃がしてはいけない
- 飼育環境をきちんと整える
- ヤモリを飼育下で冬越しさせるのは難しい
ヤモリの関連記事はこちら