生き物

【ツバメの寿命は何年?】燕は毎年同じ場所(巣)に戻ってくる?

ツバメの寿命ってどれくらいなのかしら?

翌年同じ巣に戻ってくるイメージがあるから、数年はありそうだけど。

冬が終わり暖かくなってくると、去年巣立ったツバメの雛が戻ってきたのかなぁと感じますよね。

では、ツバメは何年くらい生きるのでしょうか?

早速解説していきます!

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【ツバメの寿命】何年生きることができる?

出典:unsplash

ツバメの寿命

  • 生理的寿命:15~16年程度
  • 一般的寿命:1.5年程度

生理的と一般的な寿命でかなり差があるのは、ツバメには天敵が多く、若いうちに死んでしまうツバメが多いことが理由です。

そして、ツバメは1日1個のペースで産卵をするために、卵の個数が多く、後の方に産卵されたツバメは生育環境が不利になってしまうので、生まれても巣立てないまま死んでしまうこと多いというのが、寿命が短い理由として挙げられます。

さらには、巣立った後も、まだ飛び方の上手くない若いツバメはカラスやワシ、トンビなどの獲物になってしまうため、ツバメの7~8割程度は1歳まで生きることが出来ないのです。

巣立ち直後の若いツバメは、飛ぶ力もまだ備わっておわず、カラス・ワシ・トンビなどの標的になってしまいます。

そのため、成長になるまで生きることすら、ツバメにとっては難しいことなのです。

特に天敵に襲われることなく、寿命を迎えた場合は15年ほど生きることができます。

生理的寿命が15年から16年ぐらいあるにも関わらず、平均寿命が1.5年程度ということは、ツバメがいかに厳しい環境で生活をしているかがわかりますね。

ツバメは毎年同じ場所(巣)に戻ってくるのか?

出典:unsplash

長い旅をするツバメですが、毎年暖かい季節には日本に戻ってきます。

戻ってきたツバメの多くは、昨年と同じ場所に戻るのか気になりますね!

同じ巣を使うとは限らない

古巣に戻ってくるのは、去年と同じツバメなのかということはとても気になりますが、実際はツバメのヒナが親と同じ(自分が巣立った巣)を使うとは限りません。

そして、親鳥も前の年と同じ巣を使うことは少ないようです。

ツバメの平均寿命を考えると、何年も同じ場所に戻ってくるほど生きている確率が少ないという理由もあるのでしょう。

ある商業施設にて足環を使った調査によりますと、次の年にも同じ場所(商業施設)に戻ってきたツバメは約4割もいたということです。

さらにその中の約4割が前の年と同じ巣に戻っていた例もあります。

実際にマークをつけて調査した結果を見ると、ツバメは天敵などに襲われて死んでしまったりしなければ、次の年もほとんどのツバメが同じ所に戻ってくるそう。

同じ商業施設に戻って来たツバメはたくさんいましたが、同じ場所には戻ってきていても、同じ巣に戻るとは限らないようで、戻って来たツバメの約6割は同じ巣には戻りませんでした。

ただ、同じ巣に戻らなかったツバメが実際に、元の巣からどの程度の距離に戻ったかは確認が難しく、同じ場所には戻ってきましたが、同じ巣には戻らなかったということしか確認が出来ませんでした。

ただツバメは、前の年と同じ場所に戻ってきたときに、いくつかある巣の中から適当に選んでいるわけではなくて、前の年に自分が使っていた巣を好んで使っている可能性は高そうですね。

必ずしも、去年とツバメの夫婦が戻ってくる訳ではない

同じ場所に同じツバメが戻ってきているという例もありますが、繁殖活動も前の年と同じ相手と行うのでしょうか?

もちろん、同じ巣に同じ夫婦が戻ってくれば当然…と思ってしまいそうです。

しかしツバメは(なんだか切ない気もしますが)、前の年とは違う相手と夫婦になるツバメが多いということがわかっています。

同じ相手と夫婦になるの?

新潟県で行われた調査によりますと前の年に夫婦になったツバメが無事に生きて同じ場所に戻ってこれたことが26組ありました。

そしてその26組の中で、前回と同じ夫婦となったツバメはたった9組だけでした。

そして興味深いのは、再婚となった9組のすべてに共通して、オスがメスより先に巣に到着した場合と、オスとメスが同日に到着した場合だけだったとのことです。

逆に、メスがオスよりも先に到着してしまった場合には、違うオスと夫婦になってしまうことが多いようです。

これだけを聞くとツバメのメスって冷たいと思われてしまうかもしれませんが、オスが無事に戻ってくるかは、その時点でメスにはわかりません。

ですので、メスには出来るだけ多くのヒナを残さなければならないという使命があるので、帰ってくるかわからないオスを待っている余裕はないのです。

オスとしては前の年にヒナを一緒に育てたメスと再度結婚した方が繁殖能力もわかっているので、全く知らないメスと繁殖活動をするより確実に卵を産んでもらえる可能性が高いと分かっていますよね。

しかしメスの方は、生きて帰ってくるかどうか分からない前年のオスを待つよりも、たくさんの餌を運んでくれるオスだったり、体格の良いオスを選んだ方が得だと考えているのかもしれません。

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ツバメの生態・活動範囲・移動能力について

出典:unsplash

ツバメは春先になると南の方から日本へとやってくる、夏の渡り鳥です。

日本で卵を産んで子育てをしたツバメは寒い時期になると日本を飛び立って、台湾のあたりを経由してから、フィリピンやマレー半島などの暖かい場所へ移動して冬を越します。

まれに、日本の国内でも関東より南の西日本各地では、南に渡ることをせずに、そのまま冬を越すツバメもいるそうですよ。

日本の国内で過ごすツバメは別として、寒い時期に移動をするツバメはとても長い距離を移動するということですね。

ツバメの活動範囲はとても広い!

繁殖活動以外の時期に行動している範囲を考えれば、ツバメは年間を通して、とても広い行動範囲を持っているといえます。

ツバメは渡り鳥なので、普段日本で目にしているツバメは日本で生まれたツバメだけではありません。

日本でも卵を生んで育てていますが、日本が冬の間は南の地方の暖かい場所で卵を産んで繁殖活動をしています。

そのため、暖かい季節に日本に来るツバメは、「日本で生まれて育ったツバメ」もいれば、日本が冬の間に「暖かい地方で生まれて育ったツバメ」もいるとのことです。

ツバメが巣を作ったり、産卵や子育てをする時期に関しては、スズメなどに近いような狭い範囲で生活をしますが、それ以外の時期は遠くへ移動をして生活をしています。

ツバメの一生とは、夏と冬を別の場所で過ごす、長い旅を続ける渡り鳥だということは分かっています。

ただ、なぜツバメが東南アジアという遠い暖かい地方を目指すのかということは、実際には決定的な答えがわかっていないそうです。

そんなに広い範囲を飛び回って迷子にならないのかしら?

ツバメは迷わずに飛び回ることができると言われています。

さまざまな説があるのですが、ツバメは昼の時間帯に行動することから、太陽の位置を目印に飛んでいるという説が濃厚です。

ただ、カラスのように記憶力が良い鳥もいるため、山・海岸線などの地形を覚えているとも言われています。

ツバメの天敵

森などの木々が豊かなところに巣を作るのではなく、近年は都会・民家に巣を作ることも増えてきました。

森などは巣で雛を育てるにあたり、天敵が多すぎると判断したためと言われています。

森では、大きめの鳥・木に登ることができる動物全てが天敵になります。

一方、都会・住宅街など人が多いところでは襲ってくる動物は減ります。

都会での天敵

  • カラス
  • ネコ
  • ヘビ

上記の動物がツバメが巣を作るにあたっての天敵となります。

森などと比べるとかなり天敵は減りますよね。

家の軒下・ベランダなど、人通りの多いところに巣を作っているのも、こういったところには猫なども寄りづらいと判断している可能性が高いです。

ツバメにとって、人間の方が安全と判断しているようですね。

現に、すでに卵やヒナがいる場合、巣を撤去することは法令により禁止されています。
(卵やヒナを取り除くことは採取・捕獲にあたります)
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律

巣の中にヒナや卵がいなければ、撤去していただいて問題ありません。
≫ツバメの巣を作らせない方法・撤去方法

この法律を知らずに撤去してしまう方もいるかもしれませんが、巣の中に卵・雛がいる場合撤去するのは心が痛む方も多いのではないでしょうか?

そのため、人間をあまり天敵として危険視していないツバメも増えてきているようですね。

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ツバメの移動能力について

ツバメは同じような大きさの鳥の中でもとても優れた移動能力を持っています。

エサをとるときや、天敵から身を守るために逃げたりするときにはなんと時速200キロメートル近い速さで飛ぶこともあるのです。

普通に生活をしている時でも時速47キロメートルぐらいで飛んでおり、海を渡るときは時速60キロメートル近い速度で飛びます。

1日に飛ぶ距離も300キロメートル以上飛ぶことが出来るということで、小型の鳥の中では飛び出た飛行能力を持っているといえます。

そして、ツバメは大型の鳥が群れて海を渡ったりするのとは違い、なんと1匹で海を渡っていくのです。

単独で渡る理由は様々な説があるようですが、天敵も多く小さなツバメが単独で台湾やマレー半島まで移動するのはとても勇気がいることですね!

ツバメの糞害などでお困りの方へ

出典:pixabay

ツバメが巣を作っていて、中に雛がいると可愛いですが、自分の家に作られてしまうと少し困りますよね。

ツバメに巣を作られて困ること

  • 騒音問題
  • 衛生面の問題
  • 害獣問題

ツバメに巣を作られると、こういった問題が出てきます。

雛が産まれるとなかなかうるさくなりますし、糞をされると衛生的に問題になります。

さらに困るのが、卵・雛を狙って他の動物が寄ってきしまうことです。

これらを防ぐためには、しっかり対策をしておかないといけません。

対策は百均に売っている道具でも十分できるので、気になる方はこちらの記事をご確認ください。
≫【百均の道具でOK!】ツバメの巣を作らせない方法・撤去方法

【まとめ】ツバメの生理的寿命が長いが天敵が多いため、実際は1.5年程度しか生きられない

ツバメの寿命・毎年同じ巣に戻るのか・生態について解説してきました。

寿命は10年以上あるのに、それをまっとうできないのはなんだか悲しい現実ですね。

これを思うと、軒先に巣を作られても巣立ちまで優しく見守ってあげたくもなります。

ただ、巣を作られると弊害も多いので、下記の記事を参考に巣の対策をしてみたください!

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