トンボって秋の生き物ってイメージだったけど、夏も飛んでるのよく見るわよね?
確かに、トンボは秋の生き物って感じがしますよね!
しかし、実はいろんな季節に見られる生き物なんです。
本記事で詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- トンボが飛ぶ季節・時期
- トンボを季語として使う季節
- なぜ秋のイメージが強いのか
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もくじ
トンボの季節・時期はいつ?実は9月上旬がピークだった!
トンボは、春・夏・秋の種類に分かれる
トンボは下記の種類に分けることができます。
- 春季種(しゅんきしゅ)
- 夏季種(かきしゅ)
- 秋季種(しゅうきしゅ)
そして、長期間見ることができる種に分けることができ、それぞれ見ることができる時期が異なります。
トンボが1番飛んでいるのは夏
上で紹介したように、春・夏・秋それぞれ季節に飛ぶトンボがいますが、1年の中でトンボを最も多く見られる季節は夏です。
特に、9月上旬がピークと言われています。
【季節別】トンボの特徴・種類
春季種のトンボ
春季種は、4月の終わり頃に成虫が現れ、6月の初めには姿を消してしまいます。
- ヨツボシトンボ
- オグマサナエ
- ニホンカワトンボ
- サラサヤンマ
見られる期間が短いので、普段目にする機会が極めて少ない珍しい種のものがたくさんいます。
ですので、もしこの時期にこれらのトンボを見ることができたなら、それはとてもレアなケースなんですよ。
例えば、ヨツボシトンボは下記のようなトンボです。
オグマサナエは、名前がトンボっぽくないですが、下記のような姿をしています。
ちなみに、種類を問わず全てのトンボの幼虫は、成虫のトンボを指す「ヤンマの子」を略して「ヤゴ(ヤ子)」と呼ばれる水生昆虫で、田んぼや小川、池や沼のほか、学校のプールなどにも生息しています。
また、ヤゴの食性はトンボ自体が肉食であることから幼虫であるヤゴも同様で、自分より小さい水生昆虫や小魚などの体液を餌とし、折り畳み式になっている下唇を瞬時に伸ばすことで獲物を捕らえて食べるのですが、そのスピードと精度は日本国内の水生昆虫の中では最速と言われています。
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夏季種のトンボ
夏季種は、だいたい5月の終わり頃から成虫が現れ始め、早ければ7月中、遅ければ9月頃には姿を消すと言われています。
この時期のトンボの種類は、比較的知名度が高いトンボが多いことが特徴です。
秋季種は「秋」と付いている割に成虫が現れる時期はかなり早く…なんと5月~6月にかけてだと言われています。
それほど早いにも関わらず、なぜ「秋季種」と呼ばれているのかと言うと、実はこの種のトンボは夏の間、林の中や高い山の上で生活し、秋になった頃を見計らって水辺に集まってくるからなんです。
言うなれば、夏の間は避暑地でリッチな生活をしているという訳ですね(?)。
夏のトンボとしては、以上のようなトンボがいます。
- チョウトンボ
- 夏の日差しによって羽の色が美しく変化することで知られ、まるで蝶のようにヒラヒラと飛ぶことからその名が付けられたと言われる
- シオカラトンボ
- 有名な歌「とんぼのめがね」のモデルとなっている
- ショウジョウトンボ
- 赤トンボよりも色が赤く、その名前の由来が中国の妖怪の髪色を意味していると言われている
- オニヤンマ
- 日本最大の大きさを誇ると言われる
- ミルンヤンマ
- オニヤンマとよく似ているが、ひと回り小さく朝と夕方に飛んでいる
やはり夏のトンボの代表格といえば、昆虫界最強との呼び声も高いオニヤンマですよね。
顎の強さ、約100mmという大きさにも驚きますが、その飛翔能力も素晴らしく現代の技術では再現できないんだとか…。
その飛翔能力が良くわかる動画がこちら!
また、オニヤンマの標的は蛾やハエ・アブだけでなく…なんと!時にはあのスズメバチをも捕食してしまうんです‼
秋季種
秋に見られるトンボは下記のようになります。
- アオイトトンボ
- 9月頃にたくさんのペアが産卵を行うことで知られている
- コノシメトンボ
- 10月を中心に産卵すると言われている赤トンボの一種である
- キトンボ
- 珍しいオレンジ色の赤トンボ
- カトリヤンマ
- 10月頃に水が無くなった水田などに産卵をするためにやってくる
アオイトトンボは下の画像のような細い体をしています。
なんとなく見たことあるかも?という方もいるかもしれません。
秋のトンボと言えば、やはり赤トンボ(別名・アキアカネ(秋茜))が第一に挙げられるのではないでしょうか。
事実、童謡の「赤とんぼ」で描かれている情景は秋ですしね。
ですが実は赤トンボ…「赤トンボ」という名の種類は存在しないんです!
赤とんぼというのは、「アカネ属」というグループに属している種類全般を指す名称だったんです。
その種類は、世界に50種存在し、日本にはそのうちの21種類のトンボが存在します。
また、中国の妖怪の髪の色がその名の由来となっている「ショウジョウトンボ」や、日本一小さいトンボの「ハッチョウトンボ」など、アカネ属以外の身体が赤いトンボを含め、赤とんぼと呼ばれる場合もあります。
これまで「赤トンボ」という種類のトンボが存在すると思っていた人からすれば、ある意味「衝撃の事実」だったんではないでしょうか。
ちなみに僕もそのうちの1人です!
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その他長期間見られるトンボ
上で紹介したトンボは、基本その季節限定で見られるトンボでしたが、トンボの中には季節をまたいで長期間見られる種類のものもいます。
- シオカラトンボ
- アジアイトトンボ
- ウスバキトンボ
- ギンヤンマ
ギンヤンマは見たことがある方もいるのではないでしょうか?
胴体がゴツゴツしていてカッコイイですよね!
また、厳しい冬の寒さを耐えるトンボもいます。
- ホソミオツネントンボ
- ホソミイトトンボ
- オツネントンボ
ホソミオツネントンボ・ホソミイトトンボは見たことも、聞いたこともない方も多いでしょう。
下記のよう細い姿をしています。
通常、他のトンボは幼虫であるヤゴの状態で冬を越す…越冬しますが、これらトンボはそうではなく成虫の姿で越冬します。
あの細い体のどこに越冬できるだけの秘密が隠されているのか…。
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「蜻蛉(トンボ)」は秋の季語として使う
ここまでで紹介したように、トンボはほぼ1年中見られる生き物です。
ですが、澄んだ秋空の下、水辺を優雅に飛び回る姿のイメージが強くため季語は秋のものとみなされます。
特に、季節が次第に夏から秋へと移り変わってゆく8月から9月にかけてその姿を見る機会が多くなることから、秋の季語となっています。
童謡「赤とんぼ」を聞くと判るように、確かにあの曲は秋を題材としていますもんね。
ただ、何も全ての種類のトンボが秋の季語という訳ではなく、中には「イトトンボ」のように夏の季語に分類されているものも存在しているので、興味がある方・またトンボが好きな方は「自分の好きな○○(トンボの種類)はどの季語に使われているんだろう」と調べてみるのも面白いでしょう。
過去の偉大な方々も、トンボを秋の季語として使い俳句を書いています。
- 松尾芭蕉
- 蜻蜒やとりつきかねし草の上
- 正岡子規
- 赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり
【秋の季語に関しての記事】
- 9月の季語一覧まとめ!俳句や花、この時期の時候の挨拶、使い方や例文も
- 10月の季語一覧まとめ!俳句やこの時期の時候の挨拶、使い方や例文も
- 11月の季語一覧まとめ!俳句やこの時期の時候の挨拶、使い方や例文も
トンボが秋のイメージなのはなぜ?
トンボに秋のイメージがあるのは、やはり僕達・私達が「トンボ」と聞いておそらく真っ先に思い浮かべると思われる赤トンボの印象が強いからだと考えられます。
童謡の「赤とんぼ」を聞けばある意味一目瞭然ですし、一般的に「赤トンボ」と呼ばれている「アキアカネ」は暑い夏の間は林の中や高い山の上といった涼しい場所で過ごし、季節が秋に差し掛かり涼しくなってきた頃を見計らい、水辺に集まってきますからね。
もちろん、これは何もアキアカネだけに限ったことではなく、他の秋季種にしてもそうなので、必然的に「トンボといえば秋」というイメージができあがったのではないかと考えられます。
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【まとめ】季節ごとに飛んでいるトンボの種類は異なる
季節ごとに、飛んでいるトンボの種類・どの季節の季語なのかなどについて説明してきました。
秋のイメージが強いトンボですが、種類を問わなければ、ほぼ1年中飛んでいるんですね。
1番多く飛んでいる季節は夏ですが、季語は秋のものとして使われるようです。
トンボを見かけたら、何トンボか調べてみて季節の移り変わりを楽しむのも良いですね!
【秋シーズンの記事はこちら】