季節の雑学

11月の季語一覧まとめ!俳句やこの時期の時候の挨拶、使い方や例文も

徐々に寒さが厳しくなる11月。この時期の季語を一覧にするとどんなものがあるんでしょうか。
また、それを使った俳句や、時候の挨拶も気になりますね。
そのため今回は、「11月の季語一覧まとめ!俳句やこの時期の時候の挨拶、使い方や例文も」をご紹介します!^^

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11月の季語と俳句

出典:https://pixabay.com/ja/photos/紅葉-苔-木-秋-葉-1913485/

では、早速11月に使われる季語とそれを使った俳句をご紹介すると・・・

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11月の季語と俳句一例

お火焚 / おひたき

【例句】お火焚に 逆立つ狐 灯りけり
【作者】阿波野青畝(あわの せいほ)

落葉

【例句】落葉降る 大木に身を よせにけり
【作者】星野立子(ほしの たつこ)

風除/かざよけ

【例句】風除や くぐりにさがる おもり石
【作者】村上鬼城(むらかみ きじょう)
【補足】北風を防ぐための垣根(かきね)や塀の意

口切/くちきり

【例句】口切や 南天の実の 赤き頃
【作者】夏目漱石(なつめ そうせき)
【補足】茶道の行事で、初夏に摘んだ新茶を入れていた茶壺の封を切ることの意

柿落葉

【例句】庭木戸を 出て柿落葉 踏みてゆく
【作者】星野立子

返り花

【例句】返り花 満ちてあはれや 山ざくら
【作者】水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)
【補足】「帰り花」と表記されることも

熊手/くまで

【例句】派手やかに 〆て熊手の 売れにけり
【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)
【補足】「〆て」の読みは、「しめて」

小春

【例句】あまた出て 小春を崩す 雲ならず
【作者】皆吉爽雨(みなよし そうう)
【補足】小春とは、旧暦の10月の意

十夜/じゅうや

【例句】とぎすます 月に雲ひく 十夜かな
【作者】原 石鼎(はら せきてい)
【補足】十夜とは、浄土宗のお寺で行われる「十日十夜法要」の意

新嘗祭 / にいなめさい、しんじょうさい

【例句】籾すりの 新嘗祭を 知らぬかな
【作者】正岡子規(まさおか しき)
【補足】宮中で行われる祭祀(さいし)のひとつ

初霜

【例句】初霜や わづらふ鶴を 遠く見る
【作者】与謝蕪村(よさ ぶそん)

初冬

【例句】初冬や 手ざはり寒き 皮表紙
【作者】日野草城(ひの そうじょう)

初雪

【例句】初雪の たちまち松に つもりけり
【作者】日野草城

枇杷の花 / びわのはな

【例句】実を底に 持ちてたのもし 枇杷の花
【作者】上島鬼貫(うえじま おにつら)

冬めく

【例句】争ひて 路ゆく人の 冬めきし
【作者】長谷川かな女

紅葉 / もみじ、こうよう

【例句】ちる紅葉 ちらぬ紅葉は まだ青し
【作者】正岡子規
【補足】「紅葉」は秋、「紅葉散る」は冬の季語

立冬 / りっとう

【例句】立冬や 手紙を書けば 手紙来る
【作者】山口青邨(やまぐち せいそん)

炉開き / ろびらき

【例句】炉開や あつらへ通り 夜の雨
【作者】小林一茶(こばやし いっさ)
【補足】冬になって初めて炉を使うことの意

十一月

【例句】あたゝかき 十一月も すみにけり
【作者】中村草田男(なかむら くさたお)

山茶花

【例句】山茶花を 旅人に見する 伏見かな
【作者】井原西鶴(いはら さいかく)

時雨

【例句】時雨るるや 水の流るる 竹林
【作者】前田普羅(まえだ ふら)

初時雨

【例句】初時雨 眉に烏帽子の 雫かな
【作者】与謝蕪村

八手/やつで

【例句】たくましく 八手は花に 成にけり
【作者】江左尚白(えさ しょうはく)
【補足】大きな葉をもった常緑低木で、「天狗(てんぐ)の羽団扇(はうちわ)」とも呼ばれる

紅葉散る

【例句】山深し 樫の葉落ちる 紅葉散る
【作者】正岡子規

冬来たる

【例句】冬来たる 眼みひらきて 思ふこと
【作者】三橋鷹女(みつはし たかじょ)

三の酉

【例句】世の中も 淋しくなりぬ 三の酉
【作者】正岡子規
【補足】11月の3回目の酉の日の意

酉の市

【例句】ぬかるみに 下駄とられけり 酉の市
【作者】高橋淡路女(たかはし あわじじょ)
【補足】11月の酉の日に行なわれるお祭り

冬構え

【例句】門閉じぬ 客なき寺の 冬構
【作者】夏目漱石
【補足】冬に向けて準備をすることの意

霜よけ

【例句】母親を 霜よけにして 寝た子かな
【作者】小林一茶(こばやし いっさ)

いかがですか?

ここに列挙したものはあくまでも一例なんですが、やはり秋が終わり徐々に冬の寒さが厳しくなっていく時期であることから「紅葉散る」や「冬構え」など、冬の到来を告げる言葉が多いことが特徴であり、またその情景を想像することも比較的安易ですよね。

そういう意味では、この11月という季節は想像力を働かせるにもってこいな時期と言っても過言ではないでしょう。

では、その他にどんな季語があるかを、上記でご紹介したものも含めて一覧にすると・・・

その他の季語一覧

出典:https://pixabay.com/ja/photos/七五三-神社-稲荷-着物-66364/

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11月の季語一覧

十一月
・初霜
・七五三
・新海苔(しんのり)
・沢庵漬
・冬蝗(ふゆいなご)
・朴落葉(ほおおちば)
・目貼(めばり)
・神迎(かみむかえ)
・神無月
・冬めく
・髪置(かみおき)
・蕎麦刈(そばかり)
・蒟蒻掘る(こんにゃくほる)
・綿虫(わたむし)
・銀杏落葉
・風除
・北颪(きたおろし)
・神の旅
・口切
・初猟
・冬耕(とうこう)
・蓮根掘る
・小春
・柿落葉
・角巻(かくまき)
・冬暖(ふゆあたたか)
・神の留守
・炉開
・冬安居
・麦蒔(むぎまき)
・葛晒(くずさらし)
・冬晴
・枯葉
・報恩講(ほうおんこう)
・暖鳥(ぬくめどり)
・文化の日
・酉の市
・茶の花
・大根
・鼬(いたち)
・冬麗(ふゆうらら)
・木の葉
・波郷忌(はきょうき)
・寒竹(かんちく)の子
・達磨忌(だるまき)
・熊手
・山茶花
・大根引く
・鷲(わし)
・帰り花
・木の葉髪
・勤労感謝の日
・神在祭(かみありまつり)
・冬
・十日夜(とおかんや)
・柊の花
・大根洗ふ
・鷹
・甘藷(さつまいも)の花
・凩(こがらし)
・どぶろく祭
・亥の子
・立冬
・案山子揚げ
・八手の花
・大根干す
・隼
・冬紅葉
・時雨
・一葉忌(いちようき)
・牡丹焚火(ぼたんたきび)
・初冬
・芭蕉忌
・石蕗(つわ)の花
・切干(きりぼし)
・鷹狩
・紅葉散る
・冬構
・網代(あじろ)
・鞴祭(ふいごまつり)
・初時雨
・空也忌(くうやき)
・三河花祭
・浅漬
・鷹匠
・落葉
・北窓塞ぐ(きたまどふさ)
・柴漬
・鉢叩(はちたたき)
・冬日和
・初雪
・十夜(じゅうや)
・初冬
・御取越(おとりこし)
・柊
・茶
・八手
・麦撒き
・木枯らし
・季秋(きしゅう)
・深秋(しんしゅう)
・暮秋(ぼしゅう)
・冷雨(れいう)
・銀杏
・漁火(いさりび)
・爽やか
・霧
・柿
・朝霧
・初雪
・琵琶の花
・三の酉
・霜よけ
・新嘗祭
・冬来たる
お火焚(おほたき)
・紅葉
・文化の日
・竹瓮(たっぺ)
・青写真
・箕祭(みまつり)
・茎漬
・酢茎
・神送(かみおくり)
・神渡し
・帯解(おびとき)
・袴著(はかまぎ)
・冬
・泥鰌(どじょう)掘る
・神濃祭
・棕櫚剥ぐ(しゅろは)
・小雪(しょうせつ)
・二の酉
初氷(はつごおり
・短日(たんじつ)
・ネギ
・オリオン
・牡蠣

いかがですか?

「冬構」や「初冬」、「冬紅葉」などといった冬をテーマにした物が多いことが判りますよね。

また、「神迎」、「神送」、「神濃祭」といった神様にちなんだ物もいくつかあることもわかります。
これは、10月の別名「神無月」(新暦ではなく旧暦の暦月の別名なので11月の季語に入っている)が「神の月」という意味になるから
なんです。

「神の月」と聞くとどこか厳かで、身が引き締まる思いがしますね。

続いては、11月に使える時候の挨拶についてです。

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11月の時候の挨拶

出典:https://www.pakutaso.com/20111032277post-703.html

改まった相手に対する例文

まずは、改まった相手に対しての例文をご紹介すると・・・。

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改まった相手に対する例文

  • 末枯野美しき晩秋の候、皆様におかれましては、ますますご健勝にお過ごしのことと存じます。
  • 小春日和に喜びを感じる向寒の段、貴社ますますご発展の由、大慶に存じます。
  • 落ち葉が風に舞う季節となりましたが、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
  • 木の葉が舞い散り、行く秋が惜しまれる今日この頃ですが、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
  • 立冬を過ぎて朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたが、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
  • 初霜の便りも聞かれる今日この頃、ますますご壮健のことと存じます。
  • 向寒の候、お変わりなくご健勝のこととお喜び申しあげます。
  • 立冬とは申せ、おだやかな秋日和が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
  • ますます冬の気配が色濃くなってまいりましたが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • いよいよ冬の到来となりましたが、ご機嫌いかがでいらっしゃいますか。

などがあります。

「~の候」や「申せ」という言い回しからも、思わず「さすがビジネス用の文章だ」と納得してしまうような丁寧さがありますね。

これらは、会社や取引先の上司宛に出すのであればとても大切な表現ですので、社会人としてぜひ覚えておくようにしましょう。

上手く使えていれば、あなたの年齢が若ければ若いほど上司から「あの子は年齢の割にしっかりしてるな」と思ってもらえ、評価がうなぎ登りですよ。

親しい相手に対しての例文

では、親しい間柄の場合はというと・・・

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親しい相手に対する例文

  • 秋も深まってまいりましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
  • 七五三のお祝いで、千歳飴を持った子どもの晴れ着姿が心を和ませてくれます。
  • 遠くの山々がうっすらと冬化粧を始めています。
  • 吐く息も白くなり、冬近しを感じております。
  • 朝夕冷え込む季節になりました。
  • 草木の露も霜へと変わり、冬の気配がいよいよ濃くなってまいりました。
  • 散り敷いた落ち葉を北風が舞い上げる時節となりました。
  • 葉を落とした木々の梢に風が鳴りわたり、わびしい気持ちがいたします。
  • 襟元にマフラーの恋しくなる季節がやってきました。
  • 洗い物をする水が、いよいよ冷たく感じられる季節になりました。

などがあります。

上司など改まった相手に対して使う時候の挨拶と比べると、季節の移り変わりや自身の過ごし方などが書かれていることから、良い意味で肩の力が抜けて親しみのあるフランクな文章になっているという印象を受けますよね。

最後に、11月の季語の使い方をご紹介します。

11月の季語の使い方

出典:https://pixabay.com/ja/photos/秋-カラフルです-葉-風景-1804484/

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11月の季語の使い方

立冬

二十四節気のひとつであり、年ごとに異なるもののおおむね現在で言うところの11月7日頃を指します。
暦の上ではこの日から冬とされることから、冬の到来を感じられる使い方ができれば良いですね

炉開(ろびらき)

冬になって初めて炉を使うことを指します。
相手が炉の近くで暖を取っている姿を想像しながら使いたいものですね。

神渡(かみわたし)

陰暦10月(現在の11月)に吹く西風を指し、
多くの神様が出雲大社に集まる際、神々を送り出すために吹く風のことです。
神様にちなんだ言葉だけに、使うことでどこか神々しく厳かな雰囲気が出せればGOOD。

小雪(しょうせつ)

立冬と同じく、二十四節気のひとつです。
若干の前後はあるものの、一般的には11月22日頃とされているので、
下旬に使うのが望ましいと言えるでしょう。

安居(ふゆあんご)

お寺の僧が山などにこもって修行することを指す言葉です。
その期間は11月から1月15日までと長いため、特に寒さが厳しい日が続いている時に使うとGOODですよ。

ご紹介した季語は、あくまで一例です。
他にも様々な季語の使い方がありますので、機会があればぜひチャレンジしてみて下さいね。

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11月が旬の美味しい食べ物はこちら↓↓↓

栃木県・喜連川を流れる湧水で育てられた「炭火焼き鮎」です。
生産~加工まで手作業なので、その味は◎。

サプリフルーツとして名高い「ドライいちじく」です。
柔らかく肉厚なトルコ産なので、食感がGOOD。

安納芋以上の甘さを持つと言われる「紅はるか」です。
訳ありですが、もちろん味に変わりはありませんよ!

まとめ+関連記事

冬の到来を予感させるものから神様にちなんだものなど、様々な季語や俳句、時候の挨拶がある11月。
これらを正しく使いながら、師走に備えましょう。

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