菊って1年中みる気がするけど、どの季節の花なんだろう?
季語としてはいつ使うのが正しいのかしら?
確かに1年中菊の花は見かける気がしますよね!
それは菊には色々種類があるので、それぞれ開花時期が違うからです!
では、菊の季節はいつになるのでしょうか?
詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- 菊の季節・時期はいつか
- 菊はいつの季語として使うのか
- 菊はどんな花なのか・歴史について
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もくじ
菊の季節・時期はいつ?
日本での菊の旬は?
日本での菊の旬は、10月20日頃〜12月20日頃になります。
菊の仲間は数が多く、よく見かけるので「旬はいつ?」といわれると迷います。
本来は秋本番の10月〜11月にかけて咲き、各地で菊の展覧会や菊人形が開催されるなど、日本の秋を代表する花です。
9月9日の重陽の節句は菊の節句とも呼ばれ、古くから伝統行事が受け継がれています。
また、趣味家向けの秋の鑑賞菊のほか、独自に品種改良した夏咲きの菊、切り花用の栽培菊など、咲く時期も5月咲きから1月咲きまで多種多様に広がりをみせています。
菊の種類によって時期が異なる
- 夏菊:6月〜7月
- 秋菊:10月下旬〜11月
- 寒菊:12月〜1月
菊には多くの品種がありますが、夏菊、秋菊、寒菊など、開花期によって分類することもできます。
「夏菊」は、6月から7月ごろにかけて花が咲く早咲きの品種で、小輪の八重咲きが多く見られます。
夏菊にもいくつか種類があって、最低気温10℃以上で咲かせるもの、15℃以上で咲かせるものと、気温によって開花する特徴を持っています。
「秋菊」は、秋になり日が短くなると花芽をつける短日性の品種です。
切り花や菊花展で技を競い合う和菊が多く出回ります。
「寒菊」は、花が咲くのが晩秋から初雪の頃になります。
花壇の花が寂しくなってきた頃に咲いてくれるので、仏壇に供えたりするのに重宝します。
このように開花時期の異なる品種を少しずつ育てると、それぞれの違いがあって楽しみですね。
年中見かけるけど?
菊といえば秋を代表する花ですが、今では一年中栽培して流通している理由は、先にご紹介したとおりです。
もともとは秋の花だった菊ですが、品種改良がされているので、一年中何かしらの種類を見かけるようになりました。
切り花の菊にしても、白菊は葬祭用、黄菊は仏花とという感じですが、それだけではなく、菊はいろんなシーンで使われています。
切り花として冠婚葬祭には欠かせない花ですし、仏様へのお供え花やお盆、お彼岸の墓参り用にも菊は欠かせないものですね。
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電照菊とは?
電照菊とは、電球の光を照らして開花の調整をする栽培方法のことです。
菊は日照時間が短くなると花芽を形成し、蕾となって開花するという性質があります。
電照菊はこの性質を利用して、人工的に光をあてて開花時期を遅らせたものです。
最近では技術の向上によって、菊の開花時期を9ヶ月もずらすことができるそうです。
そのため、一年中美しい菊の花が冠婚葬祭で使用されたり、花屋さんの店頭に並んでいるというわけです。
菊の節句とは?
9月9日は、菊の節句「重陽(ちょうよう)の節句」です。
一年のうちで最も大きい陽数の月を、最もめでたい花である菊の月と称したのです。
さらに九の重なる陰暦九月九日を「重陽の節供」としました。
また「重九(ちょうく)」ともいい、これは長く久しい「長久(ちょうきゅう)」に通じるとも考え、この日を長寿を祈る節目の日としたのです。
この日の前夜、菊の花に被せておいた綿(菊の着せ綿)をとり、菊の香と露を含んだ綿で身体を拭うと、不老長寿につながると言い伝えられています。
また、「菊花の宴」では、菊の花びらを浮かべた菊酒で宴を催します。
中国から日本に入ってさらに盛んになり、持ち寄った菊の花を競ったり、和歌を詠う菊合わせ、菊人形へと発展していきました。
菊は季語ではいつ・何月に使える?
菊は秋の季語として10月~11月に使う
季節を表す季語では、菊は秋の季語になります。
時候の挨拶としては、10月~11月に使われます。
菊を使った季語には下記のようなものがあり、俳句や和歌などに日本の秋を表す季語として使われます。
- 白菊
- 黄菊
- 一重菊
- 八重菊
- 大菊
- 中菊
- 小菊
- 菊作
- 厚物咲
- 初菊
- 乱菊
- 千代美草
- 懸崖菊
- 菊の宿
- 菊の友
- 籬の菊
- 菊時
- 菊畑
重陽の節句と関係が深い
下記の3つは重陽の節句に関係します。
- 菊花酒
- 菊花の宴
- 菊花の杯
9/9に菊のお酒を飲むと不老長寿になると言われていました。
秋の季語に、「あたためざけ」というものがあります。
これは9/9に温めた菊酒を飲んで身体を温めたことから由来しています。
夏も終わり涼しくなってきた頃、温かいお酒を飲んで、身体を冷やさないようにしてくださいといった意味でお手紙を送るのも良いですね!
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「菊」を使った俳句の例
- 菊の香やならには古き仏達 松尾芭蕉
- 菊添ふやまた重箱に鮭の魚 服部嵐雪
- 菊咲けり陶淵明の菊咲けり 山口青邨
- 菊の香や仕舞忘れてゐしごとし 郡司正勝
- 菊の前去りぬせりふを覚えねば 中村伸郎
- 菊の香や父の屍へささやく母 草間時彦
- 菊の鉢提げて菊の香のぼりくる 蓬田紀枝子
- 夜の菊や胴のぬくみの座頭金 竹中宏
- 菊や菊何回占つても勝利 北大路翼
そもそも菊ってどんな花?
菊の歴史
中国では菊の花は薬用や食用として、2000年も前から栽培されてきました。
日本に伝来したのは、平安時代になってからです。
江戸時代になって、観賞用として菊づくりが盛んになります。
菊合わせという新しい菊の品評会が盛んに行われ、江戸や伊勢、京都、熊本などで独自の品種が生まれ、それらは古典菊と呼ばれています。
香りも良い上に観賞用としても美しく、また食用にもなるので、日本人にはとても親しみのある花です。
「菊」の名前は由来は、中国語の「kuk(クク)」から「キク」と呼ばれるようになったとされています。
また、一年の最後に咲く花ということから「窮まる(きわまる)」を語源とする説もあります。
さらに、「菊」の漢字は元々散らばった米を1ヶ所に集めるの意で、菊の花弁を米に見立てたものとか。
名前の由来も、歴史の古さゆえに、さまざまありますね。
菊と日本とのつながり
「菊の御紋」といえば、天皇と皇室を表す紋章として有名です。
皇室の紋章に加えたのは鎌倉時代の後鳥羽院で、身の回りのものに施したことにより、天皇および皇室の紋となったといわれます。
続く後深草、亀山、後宇多天皇もご自身の「お印」として用いたため、自然と菊が天皇および天皇家のシンボルとされるようになりました。
ちなみに、日本のパスポートや国会議員バッジにも、菊の御紋が用いられています。
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菊の魅力は?
前述しましたが、重陽の節句で菊は不老長寿のお酒として扱われています。
薬としても、美しい花のため観賞用としても日本人の支えとなってきました。
また、種類も豊富で季節ごとに咲く時期が異なるため、それぞれバラバラなものを用意することで1年中開花した菊を楽しむことができます。
魅力がたくさんのお花なんですね!
菊の種類は?
- 大菊ー菊花展などに出品するための鑑賞菊
- 古典菊ー江戸菊、伊勢菊、肥後菊など
- 小菊ー懸崖仕立てや盆栽仕立てなどの小菊
- 洋菊(マム)ーポットマム、スプレー菊、ガーデンマムなど
- 野生菊ー山野草で茶花などで活ける菊
花の色や咲き方、花びらの形状、背丈、季節など数百種類があります。
種類では、花の大きさから、大菊、中菊、小菊と分類されています。
大菊は一輪菊ともいわれ、花の直径は20センチメートルもあります。
一枝に対して一輪だけ残して周りのつぼみを摘蕾。
こんもり盛り上がる厚物、花びらが放射状にのびている管物、菊の御紋のように平たい花びらが一重で並んでいる広物などがよく知られています。
日本では江戸時代に、観賞用に多くの品種が改良されています。
それらは「和菊」とされて、筆先のような花弁を持つ「嵯峨菊」、花弁の垂れ下がった「伊勢菊」、花弁のまばらな「肥後菊」のほか、「江戸菊」「美濃菊」などの古典菊として愛好家たちに伝わっています。
花言葉は?
「高貴」「高潔」「清浄」「高尚」など。
菊の花言葉は、皇室の紋に定められていることに由来します。
菊は日本人にとって特別な存在で、品位や品格の象徴とされてきました。
また、色別の花言葉もありますよ。
●黄色・・「健康や長寿」
重陽の節句とかさなる部分があります。
●白色・・「誠実と真実」
仏花や献花に使われるなど清らかな心があらわれています。
●赤色・・「はあなたを愛しています」
いかにも情熱的な愛を伝えたい人にはピッタリですね。
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【まとめ】菊はいつでも見れるかもしれないが、秋の花として扱われる
菊の季節はいつなのか、季語としての使い方などを解説してきました。
菊は種類が色々あり、開花時期がそれぞれ異なるため、1年中見かけると思う方もいたかもしれません。
歴史を遡ってみると、菊酒は不老長寿のお酒として扱われていたりと、魅力たくさんの花でしたね!
いろんな種類の菊の種を用意して、1年中菊の花を楽しむのも楽しそうです!