新涼の候の意味や読み方は？時期はいつ・いつまで使える、例文や結びも

「新涼の候」という時候の挨拶がありますね。こちらどういった意味があり、いつ使うべき言葉なのでしょうか？
そのため今回は、新涼の候の意味や読み方は？時期はいつ・いつまで使える、例文や結びをご紹介します！^^

1 新涼の候の読み方や意味は？
2 新涼の候の時期はいつ？　いつまで使える？
3 新涼の候の例文と結び
4 立秋の候と一緒に使える季語も
5 新涼の候の時期の旬のおすすめはこちら↓↓↓
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新涼の候の読み方や意味は？

出典：https://www.photo-ac.com/main/detail/1083761?title=まぶしい日差し

「新涼の候」は「しんりょうのこう」と読みます。

「新涼」には「初秋の涼しさ」という意味があります。「秋になって涼しくなってきた」というという意味です。

「候」は「ございます」という意味なので、「新涼の候」は簡単に言えば「新涼の時期でございます」「新涼になりました」という意味になります。もっと簡単に言うと、「秋になって涼しい時期ですねえ」という意味になります。

「新涼の候」という表現は普段の会話では使いません。使うとしたら、かしこまった手紙の中ぐらいです。
日常会話では使わない、特殊な書きことばであると言えるでしょう。

新涼の候の時期はいつ？　いつまで使える？

出典：https://www.photo-ac.com/main/detail/621531?title=コスモス

では、この「新涼の候」、いつ使える言葉なのでしょうか。自分が秋になって涼しくなったなあと感じた時期に使ってしまっていいのでしょうか。

そうではないんです。「新涼の候」を使えるのは「立秋（りっしゅう）」が始まって「白露（はくろ）」になるまでの期間だけと決まっているのです。

「白露」は聞いたことなくても、「立秋」は聞いたことがあるという人は多いことでしょう。

「立秋」「白露」という言葉、概念は、ともに二十四節気（にじゅうしせっき）に由来します。
二十四節気とは、古代中国で生まれた1年を季節によって24分割する考え方です。
二十四節気は、1年を12の月に分割する考えとは別に、季節を分ける目安として作られた考えで、日本でも古くから使われています。

24分割したものをさらに分けた七十二候という考え方もありますが、日本で一般的に使われているのは二十四節気です。

よく天気予報で、「今日は立秋です。暦の上では今日から秋です」なんて言っているのを聞きますよね。あれは、二十四節気に基づいているんです。

二十四節気では、まず夏至と冬至で1年を2つに分けます。その後、春分、秋分でさらに２分割します。そしてさらにそれぞれを6分割していくわけですが、立秋は夏至と秋分のちょうど真ん中になります。

立秋の時期はその年によって若干異なりますが、毎年8月7〜22日頃です。
「立秋」には「秋の始まり」という意味がありますが、現在の日本の「立秋」は暑さ真っ盛りの真夏になるのです。

白露は立秋の次の次の時期に当たります。立秋の次が処暑で、その次が白露です。白露は、草木に朝露が宿り始める時期を言います。秋分の１つ前の時期です。夜間の気温が下がるようになると、朝、草木の葉っぱに露が付くようになりますよね。その時期が白露です。

白露の時期もその年によって異なりますが、毎年9月8〜22日頃を言います。

「新涼」は立秋になり、白露になるまでの間に使える言葉なので、8月7日から9月7日頃までに使う言葉であるということになります。

秋の始まりを風の涼しさで感じ始め、本格的な秋の到来を朝露で確認するまでの間に使われる言葉ということになります。
が、8月7日から9月7日までって、まさに真夏、めちゃめちゃ暑い時期ですよね。

つまり、実際の気温や気候とは関係なく、「新涼の候」は使われることになるわけです。

新涼の候の例文と結び

出典：https://www.photo-ac.com/main/detail/546473?title=残暑お見舞い申し上げます２%20筆文字

かしこまった手紙では、文頭に頭語と呼ばれる語を書きます。
一般的に広く使われている頭語としては、「拝啓」「謹啓」などといった言葉があります。
そしてその後に季節の挨拶を持ってくるのですが、「新涼の候」はこの季節の挨拶に該当します。
季節の挨拶のあとには、相手の安否を尋ねる挨拶を続けます。

例①改まった相手（個人）に出す手紙の場合

拝啓　新涼の候、皆さまにおかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
謹啓　新涼の候、●●様におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

「拝啓」より「謹啓」の方がより丁寧な印象を相手に与えます。より目上の人に使うといいでしょう。「お慶び」と「お喜び」に大きな意味の違いはありません。

「ご健勝」「ご清栄」「ご清祥」「ご壮健」はいずれも特に意味に変わりはなく、儀礼的に使われています。どれを選んでもたいした違いはありません。

意味としては「皆さん元気で良かったね！」という感じの意味合いなので、相手の家族に重病の人がいたり、なにか大きなトラブルに現在巻き込まれているようなことがあるのを知っているのであれば、この安否を尋ねる挨拶文はいれてはいけません。ものすごく失礼で嫌味な奴と思われてしまいます。

例②ビジネスで取引先などに出す手紙の場合

拝啓　新涼の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
謹啓　新涼の候、貴店におかれましてはいっそうご繁盛のこととお喜び申し上げます。

相手が企業などの場合は、「ご隆盛」「ご繁盛」「ご発展」「ご盛栄」「ご繁昌」を使います。
意味としては、「商売が順調にいってるみたいでよかったよね！」という感じでしょうか。個人ではなく、企業といった団体相手に出すので、健康かどうかを尋ねたり、健康であることをお祝いするのではなく、商売などがうまくいってるのかを尋ねたり、商売などがうまくいっていることをお祝いするのです。

ビジネスの相手や顧客に出す手紙の場合には安否を尋ねる挨拶ではなく、業務上の挨拶をしても構いません。

拝啓　新涼の候、平素は格別のご厚情を賜り、厚くお礼申し上げます。
謹啓　新涼の候、長年にわたりひとかたならぬご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。

例③親戚など親しい身内や友人に出す場合

最近は手紙を書く機会も減ったので、親しい人に手紙を書くという機会はあまりないかもしれません。ですが、親戚のおじさんや、学生時代に親しかった先輩など、親しい間柄だけれども、ある程度のマナーは守った手紙を書くことはあるかもしれません。

そういう相手に手紙を書く際は、ギッチギチにマナーを守った手紙を書くとかえって堅苦しくなりすぎてしまう可能性もあります。
ですから、最低限のマナーを守りつつ、ある程度はくだけた文章にしてしまってよいでしょう。

そう考えると、「新涼の候」というかしこまった季節の挨拶は特に必要ではありません。
その手紙を書いている時の季節感を表した季節の挨拶を入れればいいのです。

拝啓　八月に入り、毎日厳しい暑さが続いております。皆さまにおかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
拝啓　暦の上では秋とは言え、うだるような暑さが続いております。●●さまのご家族の皆さまも、お健やかにお過ごしのことと存じます。

親しい相手であれば、頭語は「拝啓」を使うのが一般的です。

続いて、結びの挨拶です。結びの挨拶とは、手紙の一番最後に書く挨拶です。
相手のこれからの繁栄や活躍、健康を祈る内容でまとめるのが一般的です。が、用件をまとめたり、あるいは返事をほしいと念を押したりすることもできます。

また、最後には結語と呼ばれる言葉を置きます。「敬具」を使うのが一般的です。女性ならば「かしこ」を使ってもいいのですが、ビジネスの相手に出す手紙などであまり使いません。

例①ビジネスで取引先などに出す手紙の場合

まずは書中をもちまして、お礼かたがたご挨拶を申し上げます。　敬具
略儀ながら書中をもちましてお礼とさせていただきます。　敬具
恐れ入りますが、よろしくご伝言のほどお願い申し上げます。　敬具
ご多用中恐縮ではございますが、折り返しご返事くださいますようお願い申し上げます。　敬具
末筆ながら貴社の一層のご発展を専心より祈念申し上げます。敬具
今度とも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。敬具