一般的に、ヒヨドリなどをはじめとする野鳥の雛を保護することは危険だと言われています。ですが、やむを得ず保護しなければいけない場合、その方法も気になりますね。
そのため今回は、「ヒヨドリの雛は保護したら危険?保護する方法や食べ物、保護した後はどうすれば?」をご紹介します!^^
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もくじ
ヒヨドリの雛は保護したら危険?
出典:http://ur0.work/Wma2
そもそも、ヒヨドリの雛を保護する行為は「誤認保護」もしくは「誘拐」と呼ばれ、
法律で禁止されているためヒヨドリに限らず、野鳥の雛は保護してはいけません。
まず、人間がヒヨドリを含む野鳥の雛を保護するケースというのは、たいていの場合、
巣立ち前の雛であり、地面に倒れている雛を見て…「ひょっとして怪我をしているのでは?」、
「あのままここにいたら他の動物に襲われるかもしれないし危険かも」と判断して保護する…
「誤認保護」なんです。
確かに、ヒヨドリなどの野鳥の雛が地面に倒れている所を見ると気にはなるでしょうが、
人間の一方的な思い込みで保護をするということは、野鳥の生態系を乱すことになるので、
極力そのままにしておくのが良いと言えるでしょう。
次に、どうしても人間が保護しなければいけないという状況になった時の保護方法についてです。
ヒヨドリの雛を保護する方法!
出典:http://ur0.work/0TnJ
第一に栄養補給
ヒヨドリの雛は当然ながら自力で餌を捕ることができないので、
長い間、空腹状態が続いていて衰弱しているかもしれません。
ですので、一番大切なことは栄養補給ですよね。
とは言っても、成鳥のように何でも食べれるという訳ではないので、
自力で餌を食べられるようになるまでは、必要な水分などを補え、
なおかつ吸収も早い「補液(ほえき)」を2時間おきに与えるようにしましょう。
ただし、あまり与え過ぎてしまうとお腹を下してしまう恐れがあるので、注意して下さいね。
目安としてはスポイトで1~2滴で十分です。
ちなみに補液の一例を挙げると・・・
補液の例
- スポーツドリンクor子供用リポビタンDを2倍に薄めたもの
- 豆乳
- 新鮮な水(ぬるま湯)
- 5%のブドウ糖液(5%のブドウ糖液をぬるま湯に溶かしたもの)
- 蜂蜜や果糖をぬるま湯に溶かしたもの
- 0.9%の生理食塩水(5gの食塩をぬるま湯に溶かしたもの)など
以上のようなものなどがあります。
順次、紹介していきます。
スポーツドリンクor子供用リポビタンDを2倍に薄めたもの
スポーツドリンク・子供用リポビタンDは、コンビニなどで簡単に手に入れられるものです。
ただ、これらを原液のまま与えてしまうと、雛の身体には刺激が強すぎてかえって毒になってしまうので、必ず2倍に薄めて与えるようにして下さい。
豆乳
豆乳と言えば、一見人間が飲む物というイメージが強いですが、
豆乳には、大豆タンパク質が豊富に含まれているので、
雛の栄養補給にもバッチリ効果を発揮してくれるんですよ。
人間であってもタンパク質を摂取すると、疲労が溜まっている筋肉が回復し、
より強い物へと生まれ変わるという働きがあるので、雛に与えても問題無いという訳です。
ただし、豆乳に限らず、どの補液に関しても元気になってほしいからといって…
新鮮な水(ぬるま湯)
出典:http://ur0.work/Zucy
ある意味最も用意しやすくオーソドックスな物ですが、
「何も用意できるものが無い」という時には、これがベストです。
再度人間を例にとると、人間も食べ物が何も食べられないほど体が弱っている時は、
まずは水などで水分補給をしようとしますもんね。
衰弱している雛に餌がある程度食べれるようになるまで毎日与え続ければ、
雛の身体だけではなく心まで温まり、次第にあなたに懐いてくれるようになるかもしれませんよ。
5%のブドウ糖液(5%のブドウ糖液をぬるま湯に溶かしたもの)
「ブドウ糖液」という言葉を見て…「えっ、ブドウ糖液って鳥の雛に与えてもいいの⁈」と、
疑問を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そもそもブドウ糖とは、脳の働きを維持するために非常に大切なものであり、
人間が打つ点滴の中にもブドウ糖液が含まれているんですよ。
このことから、ブドウ糖液は言うなれば“身体に必要なエネルギー源”ですので、
雛に対しても「与えても良い」ではなく「与えなくてはいけない」ということになります。
万が一の時のためにあらかじめ購入しておくのも良いですね☆
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蜂蜜や果糖をぬるま湯に溶かしたもの
出典:http://ur0.work/Y5Iu
野生のヒヨドリは普段、野菜や果実、木の実などを主食としているほか、甘いものが大好き!という習性があるので、蜂蜜や果糖を溶かしたものも補液のひとつとしてとても有効です。
なお、蜂蜜や果糖が無ければ砂糖でもOKですので、
甘くなり過ぎないように注意しながらよく溶かして与えましょう。
0.9%の生理食塩水
甘い物の後にしょっぱいものの紹介をするのは、若干矛盾しているかもしれませんが、
0.9%の生理食塩水(5gの食塩をぬるま湯に溶かしたもの)も、蜂蜜や果糖と同じく、
雛の体力回復にとても役立ちます。
確かに、人間であっても(また人間かっ!)、大量に汗をかく夏には水分だけではなく塩分も同時に補給することで熱中症が防げたり、体力が回復したような気持ちになりますもんね。
それと同じく、雛にとっても塩分は体力回復に大きな効果があるので、
「ブドウ糖液はウチには無いし、水では…」という人は食塩水を作って飲ませてあげましょう。
衰弱があまり激しくない場合
次に、それほど衰弱が激しくなく、餌を食べられる状態にある時に与えても良い物は、
アオムシ・緑色のバッタ・コオロギなどの小さな昆虫・ミルワーム・すり餌などです。
なお、ここまでご紹介した餌はあくまでも「臨時の餌」なので、
与えても良いのは保護からおおよそ2、3日の間だけです。
それ以降は雛の成長に合わせた餌を与えるようにしましょう。
与えてはいけない物
出典:http://ur0.work/SwFO
また、NGなものは、以下のものなどがあります。
与えてはいけないものとその理由
- ご飯粒やパン:消化が悪いので、「そのう炎」になる可能性がるからです。
- 粟玉 :本来は鳥の餌ですが、雛は消化できないからです。
- 牛乳 :粟玉と同じく、雛が消化できないからです。
保温も大切
ヒヨドリの雛を含め、鳥の雛は種類に関係なく、
毛が生え揃うまでは自力で体温調節ができないため、人間の役目となります。
一般的に鳥の平均体温は41~43℃なので、
40℃を下回ると目に見えて体力が落ち危険な状態になってしまいますので、気を付けてください。
ヒヨドリの雛の体を温める方法としては、
お湯を入れたペットボトルをタオルで包んで巣箱に入れておくのが、最も簡単かつ安全です。
ですが、雛を保温するにあたって、注意しなければならないこともあります。
雛の体を温める際の注意点
- 濡れている場合は、保温前にタオルで身体を拭く
- 人間の手では温めない:人間のほうが体温が低いので、逆に体温を奪ってしまうから
- 室温は26℃以上に保つ(夏でも同様)
- 脱水症状や室内の湿度に気を付ける
- 使い捨てカイロ・こたつ・電気カーペットなどは、危険なので使わない
以上のような注意点があります。
次は怪我をしている際の対処法についてです。
ケガをしている場合の対処法
対処法とはいっても、
こういった場合は各都道府県の野生鳥獣の担当機関、または動物病院に連絡するのがベターです。
しかし、たまたまそういった施設が休みだった場合は、人間がその役割を担うしかありません。
ですので、上でご紹介した保温方法などで身体を温めてあげたり、餌を与えたりし、
再びベストコンディションに戻るようにできる限り手厚くケアしてあげて下さい。
あなたのその優しい気持ちがしっかりと雛に伝われば、ひょっとすると雛があなたを親だと思い込み、何かしらの愛情表現をしてくれるようになるかもしれません。
ヒヨドリの保護方法に関しては、別記事でも詳しくご紹介しています☆
■ヒヨドリの雛の保護方法!エサや育て方の注意点、飼育は禁止なの?
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ヒヨドリの雛を保護した後は?
出典:http://ur0.work/eVtW
怪我などで傷付いた雛を保護したからと言って、
その後、元気になっても必ずしもそのまま飼育できるとは限りません。
ヒヨドリだけではなく、野鳥の飼育というのは全面的に禁止されているので、
場合によっては、自然に返す「放野」という選択肢をしなければならないことも…。
これまで愛情を注いで育ててきたぶん、寂しい気持ちはあるでしょうが、
どうしてもそうなってしまったら「しょうがない」と割り切るしかないですよね。
では放野する場合はどのようにすれば良いのかというと…、
まず本当に放野しても大丈夫かどうか、チェックする必要があります。
放野可能かのチェック項目
- 餌を探して食べることができる
- 水を見つけて飲むことができる
- 羽づくろいや水浴びができる
- 羽の力も強く、元気に飛び回れる
- びっくりした時にすぐに飛び立ったりなど、危険を回避できる
- しっかりと止まり木に止まり、そこで寝ることができる
これらの項目を全て自力でできるようであれば、時期を見て放野しても良いでしょう。
さて、今「時期を見て」と書きましたが、
実は鳥の雛には、それぞれ放野にふさわしい時期というものがあるんです。
では、ヒヨドリの場合はというと、
たとえ元気になっても放野までに結構な時間をかけたほうが良いと言われています。
というのも、ヒヨドリは自力で飛べるようになってからしばらくすると、
「換羽(かんう)」という羽が抜け替わる時期に入るので、
その時期が終わって完全に大人の羽になってから放野するのが安全なんですよ。
また、ヒヨドリの特性として「とても甘えん坊で人間に懐きやすい」というものがあるので、
育てている時からあまり甘やかしすぎないように、あるいは、
放野することを決めてからは極力冷たい態度で接することが大切だと言われています。
ここまで育ててきたので、胸が苦しくなるほど辛いことかもしれませんが、
「これもこの子の自立のためだ」と考え、あえて心を鬼にして接するようにしましょう。
ヒヨドリの雛の巣立ちはいつ?
出典:http://ur0.work/YrRv
一般的には、ふ化してから10日前後で巣立つと言われています。
ヒヨドリの繁殖期は5月中旬~8月ですので、
そこから逆算すると、ヒヨドリの巣立ちは6月中旬~7月にかけて始まると言えるでしょう。
なお、それまで間は、親鳥が木の実などの栄養価の高い物を積極的に食べさせるんですが、
やはり人間をはじめとしたすべての動物の親が子に対して持っている「親心」なんでしょうね。
また、ヒヨドリにとって巣立ちとは、
巣から飛び立つことではなく「巣を出て地上に降りる」ことを意味します。
それは、巣立ち間もないヒヨドリは飛べないからです。
地上で飛ぶために必要な筋力を身に付け、飛び方を覚え、
十分に力を身に付けたヒヨドリは、はじめて、青く澄み渡った広い大空へ飛んでいくのです。
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まとめ+関連記事
保護することは危険と言われているヒヨドリですが、巣立ちではなく怪我や衰弱しているなら、やはり保護して手厚く看病するのが良いと言えるでしょう。
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