新年を迎えると同時に使われる時候の挨拶の一つに、「新春の候」という言葉をよく見かけます。
「新春の候」の読み方は、一体、なんと読むのでしょう?
そして、その意味は、なんでしょう?また時期はいつまで使うのでしょうか?『新春の候』を使った例文もご紹介します☆
そのため今回は、新春の候の意味・時期・読み方は?いつまで使うか、例文もご紹介します!^^
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もくじ
新春の候の読み方と意味は?
出典:https://sk-imedia.com/kanagawasakurameisyo-6341.html
「新春の候」は「しんしゅんのこう」と読みます。
「新春」は正月のことで、年始・新年・初春を表し、太陰暦を使用していた頃の正月は、ちょうど二十四節気の立春であったことと、昔は1月・2月・3月を春と定めていましたそこから、「新春」や「初春」という言い方が出てきたと言われています。
つまり、単純に、旧暦の春を1月からとしていたことの名残として、新暦(現行歴)でも、1月を新春や初春と呼んでいるのです。
そして、「候」は、「様子をうかがう」という意味の漢字で、その意味から、「変化が現れる様子(きざし)」という意味ですが、時候の挨拶で使用する時は、「時や季節の移り変わり」を表しています。
ですから、「新春の候」の意味は、文字の通りに、「新しい年や新しい春が巡ってきた時節」という意味で使われています。
そういう意味で、正月を過ぎてからの手紙の冒頭に書く「時候の挨拶」として、「新春の候」はよく使われているのです。
あともう少しでくるお正月のお手紙に、「新春の候」で始まるお便りを書いてみてはいかがでしょうか。
新春の候はいつまで使える?
「時候の挨拶」として「新春の候」を使用する場合は、1月いっぱいであるなら、問題はないようです。
しかし、「新春」という単語に正月のイメージが強いので、この言葉を使用するのは1月7日の松の内までにしておいたほうが無難かもしれません。
地方によっては、松の内が15日までの場合もありますので、「新春の候」を使用するは1月7日から15日までにしておくのが良いかと思われます。
それ以降に「時候の挨拶」を使うなら、「酷寒の候(こくかんのこう)、「厳寒の候(げんかんのこう)」、「厳冬の候(げんとうのこう)」など、「寒風の候(かんぷうのこう)」、「寒冷の候(かんれいのこう)」、「大寒の候(だいかんのこう)」、「小寒の候(しょうかんのこう)」、「降雪の候(こうせつのこう)」、「甚寒の候(じんかんのこう)」など1年で最も寒いとされる「寒」の時期を意識した挨拶を使うか、これから向かう春を表す、「孟春の候(もうしゅんのこう)、「芳春の候(ほうしゅんのこう)」、「頌春の候(こうしゅんのこう)」などの言葉を用いるのが良いでしょう。
どの言葉を使っても構いませんが、できるだけその時の季節や、例えば手紙を届ける相手が積雪地帯に住んでいる場合には、「降雪の候」などを使うと気が利いている感じもありますね。
新春の候の時期はいつ?
「時候の挨拶」として「新春の候」を使用する時期は、お正月を過ぎた1月からになります。
年始でカレンダーも切り替わり、太陰暦を使用していた頃からの風習に従って、1月は季節の春の始まりということで、冬なのに春という言葉を用いるのです。
季節が切り替わる前の12月の慣用的な「時候の挨拶」は、「初冬の候(しょとうのこう)」、「師走の候(しわすのこう)」、「寒冷の候(かんれいのこう)」、「冬至の候(とうじのこう)」、「初氷の候(はつごおりのこう)」などですから、お正月になったら気分を一新して、「新春の候」を初めに書いた挨拶文を送りましょう。
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新春の候の使い方・時候の挨拶を含む例文と結び
「時候の挨拶」として「新春の候」を使用する場合の例文をご紹介しましょう。
正月を越して、冬の特に寒いこの時期は、体調を崩しやすい季節ですから、相手の健康を気遣う言葉を入れておくことも大切です。
しかし、年賀状のように新年のご挨拶を兼ねている場合、先方のご多幸を願う気持ちを第一に書いておく方が、心のこもった文章になると思います。
書き出しの言葉と結びの挨拶は、いくつかをセットでまとめて覚えておくと簡単に使えるので、それらをパターン化して覚えておく方が良いかもしれません。
・拝啓 新春の候、〇〇様にはお変わりなく、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 新春の候、近頃冬の底冷えが一段と増していますが、いかがお過ごしのことでしょうか。
・拝呈 新春の候、貴社におかれましてはなお一層のご発展のことと拝察いたしております。
・拝啓 新春の候、皆様にはいっそうご活躍のことと慶賀の至りに存じます。
・拝啓 新春の候、皆様にはいつもながらお変わりなく何よりに存じます。
・拝啓 新春の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 新春の候、寒さが肌を刺す日々が続いていますがお変りなくお過ごしでしょうか。
・拝啓 新春の候、〇〇様にはますますご健勝とご繁盛のことと存じます。
・謹啓 新春の候、皆様にはご清栄のことと大慶至極に存じます。
・謹啓 新春の候、例年よりも冷え込みが厳しいですがお元気でお過ごしでしょうか。
・謹啓 新春の候、本格的な冬の寒さ来たとのことでお身体は大丈夫でしょうか。
・謹啓 新春の候、まだまだ春の声は聞こえませんがお変りなくお過ごしでしょうか。
・謹啓 新春の候、ビルの間を吹き抜ける木枯らしが辛い時期ですがお元気でお過ごしでしょうか。
・謹啓 新春の候、貴社ますますご発展のことと、心からお喜び申し上げます。
・謹啓 新春の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
・皆様にとって本年にご多幸がありますようお祈り申し上げます。敬具
・寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛専一にてご活躍ください。敬白
・寒さの折りから、お風邪などにはくれぐれもお気をつけ下さい。かしこ
・本年もご厚情賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。謹白
・寒さ厳しき折、くれぐれもお体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。敬具
・今年も幸多い年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。かしこ
・本年もご厚情賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。謹言
・寒さ厳しき折から、お風邪など召しませぬようお気を付けください。敬具
・本年も変わらぬご高誼の程、よろしくお願い申し上げます。敬具
・寒さが厳しいですが、お身体を崩さぬようご自愛ください。敬具
・今年も変わらぬお付き合いのほどをお願い申し上げます。敬具
・新年にあたり、皆様のご健康をお祈りいたします。敬具
・寒さ厳しい折、体調にはどうかお気をつけくださいませ。かしこ
・積雪が見込まれます、足元にはお気をつけください。かしこ
・朝夕の底冷えが厳しく感じます、どうかお体を大切に。かしこ
・おだやかな厳寒をご家族でお迎えのこととお慶び申し上げます。かしこ
手紙や文章を書く場合は、まず前文から始めるのが普通ですが、その内容は「前文」頭語、時候の挨拶、相手の様子伺い、「主文」用件、「末文」用件のまとめ、相手への気遣いの言葉、結語、そして、「後付」日付、署名となりますね。
この構成の文章に「時候の挨拶」をとり入れることで、季節感が漂う手紙になります。
「時候の挨拶」の使い方での一番難しいところは、「使う時期」ではないでしょうか。
読み手も、その言葉の意味などは深く考えませんが、季節外れの時候の挨拶を使っている手紙を目にすると、相手に「アレ?」っと思わせてしまうことがあるかもしれません。
例えば、そっけなくなりがちなビジネスメールに、この「時候の挨拶」とり入れることで、文章の印象が格段に変わってくることもあります。
時候の挨拶は、相手や場面に応じて、漢語調で端的に表現したり、口語調でわかりやすく表現することもできます。
文章の最後には「敬具」の結語で文章を結びますが、女性が書き手の場合、ビジネス文書以外でしたら結語を、「かしこ」とすることで、女性らしい、やわらかな印象の手紙にすることもできるでしょう。
新春の候を使った場合に気を付けたいこと
「新春の候」を使った場合に気を付けたいことは、前述した通り、この言葉は時節を表す言葉なので、使用するのは松の内、または1月中旬ごろまでにしておいたほうが良いでしょう。
また、この言葉を手紙に使う場合には、冒頭の書き出しや、最後の結びで使う場合がほとんどです。
新春の候以外の1月時候の挨拶の言葉はある?
「新春の候」以外にも、1月に使う時候の挨拶の言葉には、以下のようなものがあります。
たくさんありますが、手紙の文面や季節柄、あるいは、その日の気分などで選ぶと、そのあとの文章にも、それとなく季節感が反映されてくるのではないでしょうか。
酷寒の候(こくかんのこう)
厳冬の候(げんとうのこう)
寒風の候(かんぷうのこう)
寒冷の候(かんれいのこう)
大寒の候(だいかんのこう)
小寒の候(しょうかんのこう)
初春の候(しょしゅんのこう)
降雪の候(こうせつのこう)
正月の候(しょうがつのこう)
孟春の候(もうしゅんのこう)
芳春の候(ほうしゅんのこう)
甚寒の候(じんかんのこう)
頌春の候(こうしゅんのこう)
先ほどご紹介した例文のように、その時のTPOや気分に合わせて、時候の挨拶を使い分け、例えば「新春の候、拝啓 〇〇の候、近頃冬の底冷えが一段と増していますが、いかがお過ごしのことでしょうか。」というふうに書けば、失礼なく季節感を含めたご挨拶文になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「新春の候」は「新しい年や新しい春が巡ってきた時節」の挨拶として使われている言葉でした。
挨拶文を書くときの参考にしてください。
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