建設関係の凶日といわれる「三隣亡(さんりんぼう)」。
この日に建設関係のお祝い事をすると火災が起こって3軒隣まで滅ぼすといわれており、気にされることも多いです。
この記事では、三隣亡にやってはいけないことや凶日を避ける対策についてご紹介します。
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もくじ
三隣亡にやってはいけないこと5つ

出典:写真AC
三隣亡にやってはいけないことは、次の5つです。
- 引っ越しや建設にまつわる行事
- 結婚式や入籍
- 車の納車
- 宝くじや財布を買うこと
- お葬式にまつわること
1つずつご紹介します。
引っ越しや建設にまつわる行事
三隣亡は建設関係の凶日です。
地鎮祭、着工式、上棟式、建前、造作、引き渡し式などの建設にまつわる行事の他、土地や家の購入、契約なども避けるべきといわれています。
また、引っ越しについても、家の建設に関わることのため三隣亡は避けるほうがよいという考えがあります。
三隣亡は昔から伝わる迷信ともいわれていますが、自分が気にしていなくても隣近所の方が気にされるかもしれません。
新築を建てるということは、これからその土地で長く暮らしていき、ご近所付き合いもはじまるということです。
土地柄や場合によっては、ご近所の方とのトラブルの元にもなりかねません。
これから付き合いのはじまる隣近所の方と円満にお付き合いがはじまるよう、はじめの段階から配慮が必要だといえますね。
とはいえ、引っ越しの日を三隣亡以外の日にすることがどうしても難しいという場合もあるかと思います。
その場合は、引っ越し当日の三隣亡の日には挨拶まわりはせず、別の日におこなうなどの配慮をしましょう。
結婚式や入籍
結婚式や入籍も三隣亡の日は避けた方がよいです。
建設とは関係ないのでは?と思われるかもしれませんが、「新居を構える」「家庭を築く」「大黒柱になる」「引っ越しする」といったことが関わってきます。
前述の建設にまつわることと同様、自分が気にしていなくても、お相手やお相手のご家族が気にされるかもしれません。
新婚生活や家族付き合いをうまくスタートできるように、結婚式や入籍を三隣亡にするのは避けたほうがよいでしょう。
車の納車

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納車は金額的にも大きな買い物でお祝い要素も強いため、基本的には吉日におこなうことが多いです。
三隣亡を絶対に避けるべきとはいいませんが、縁起を気にしている場合は、凶日とされる三隣亡や六曜の仏滅に納車をおこなうことを避ける方も一定数いるようです。
三隣亡については、車会社でも気にしている企業もあるので、縁起が気になる場合は購入する会社に伝えるとその日を避けてくれますよ。
宝くじや財布を買うこと
三隣亡は「凶日」なので、宝くじや財布を買うのも避けたほうがよいといわれています。
基本的に、宝くじや財布は縁起を気にして吉日に購入する方が多いですよね。
一般的に宝くじや財布を購入するとよいとされる日は、下記のとおりです。
天赦日 | 暦の1年の中で最もよい大吉の日。天が罪を赦す(ゆるす)日。 年に5~6日しかない。一粒万倍日と重なる日は最強・最高の開運日。 |
一粒万倍日 | 一粒の籾が万倍にも実って稲穂になることから、お金についても何倍にもなって返ってくるとされる。 |
大安 | 六曜の中で最も縁起のよい日。何をしてもうまくいき、成功する日とされる。 |
寅の日 | 吉日の中で最も金運が上昇している日。 |
上記の吉日が複数重なる日は、宝くじや財布を購入するのによりおすすめですよ。
しかし、吉日だと思っていても、三隣亡も重なっていることもあるため注意が必要です。
三隣亡と吉日が重なっている日についても後述しているので、参考にしてください。
お葬式にまつわること
全国的には六曜の「友引」の日はお葬式をしないという慣習がありますが、三隣亡を避けるべきという考えは基本的にはなく、お葬式をおこなっても問題ありません。
しかし、和歌山県の一部では友引の日以外にも三隣亡を避けるべきという慣習があります。
理由としては、3軒隣まで滅ぼすという三隣亡の字体から、3軒隣の魂にも不吉な影響を及ぼすと考え、避けられるようになったといわれています。
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三隣亡の2022年のカレンダーと凶日を避ける対策

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下記に、2022年の三隣亡の一覧をご紹介します。
建設にまつわる行事や引っ越しなどはこの日を避けるように、参考にしてください。
三隣亡は、ひと月に2~4日、年に30日程度あります。
赤字表記は、三隣亡と吉日が重なっている日です。
「吉日なのでよい」と思ってしまいやすい日のため、注意してくださいね。
月 | 2022年の三隣亡 |
4月 | 11日(先勝)、23日(先勝) |
5月 | 10日(先勝)、22日(先勝) |
6月 | 3日(先負)、6日(寅の日、赤口)、18日(寅の日、赤口)、30日(寅の日、先勝) |
7月 | 16日(一粒万倍日、大安)、28日(一粒万倍日、大安) |
8月 | 14日(大安)、26日(大安) |
9月 | 7日(先勝)、10日(寅の日、仏滅)、22日(寅の日、仏滅) |
10月 | 4日(寅の日、大安)、8日(一粒万倍日、先負)、20日(一粒万倍日、先負) |
11月 | 1日(一粒万倍日、大安)、18日(仏滅)、30日(大安) |
12月 | 15日(寅の日、友引)、27日(寅の日、仏滅) |
2022年の建設吉日は?
建設吉日は、家を建てる時に縁起のよい日のことです。
地鎮祭、着工式、上棟式、建前、造作、引き渡し式などの、建設にまつわる行事をおこなうのによい日とされています。
建設吉日は「六曜」とは異なるもので、「十二直(じゅうにちょく)」によって決められています。
十二直とは、北斗七星の星の動きから吉凶判断をおこなうものです。
「建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉」の12種類があり、その中でも「建・満・平・定・成・開」の6つにあたる日が建設吉日とされています。
下記に、2022年の建設吉日をご紹介します。
月 | 2022年の建設吉日 |
4月 | 4日、5日(一粒万倍日)、7日(寅の日)、12日、13日、19日(寅の日)、21日、24日、29日(一粒万倍日) |
5月 | 1日(寅の日)、3日、6日、7日、8日、14日(一粒万倍日)、16日、18日、19日、24日、26日(一粒万倍日)、30日、31日 |
6月 | 1日、5日、8日、10日(一粒万倍日、天赦日)、12日、13日、14日、20日、22日(一粒万倍日)、24日、25日、26日 |
7月 | 2日、6日、7日(一粒万倍日)、8日、9日、13日、15日、17日、19日(一粒万倍日)、21日、25日、27日、29日 |
8月 | 1日、2日、6日、7日、9日、11日、13日、15日(一粒万倍日)、19日、21日、23日(天赦日)、25日、27日(一粒万倍日)、31日 |
9月 | 2日、4日、6日、8日、9日、15日、17日、19日、20日、25日、27日、29日 |
10月 | 1日、2日、3日、7日、10日、14日、15日、16日(寅の日)、22日(天赦日)、24日、26日、27日 |
11月 | 3日、8日、9日(寅の日)、10日、14日、16日(一粒万倍日)、20日、22日、26日 |
12月 | 2日、3日(寅の日)、4日、9日、11日、13日(一粒万倍日)、16日、17日、21日、23日、25日(一粒万倍日)、29日 |
ピンク色マーカーのある日は、建設吉日の中でも「天赦日」もしくは「一粒万倍日」、「寅の日」と重なる吉日です。
また、黄色マーカーのある日は、建設吉日の中でも「天赦日」と「一粒万倍日」どちらも重なるため特に縁起がよく、最強・最高の開運日です。建設関係の行事をおこなうのによい日となっています。
ぜひご参考にしてくださいね。
寅年はずっと三隣亡?山形県の年間三隣亡とは
上記では2022年の三隣亡の「日」についてお伝えしましたが、ここでは「年間三隣亡」という考え方についてお伝えします。
年間三隣亡とは、十二支の中の「寅の年」「午の年」「亥の年」の3年については、その1年間全体が三隣亡の年だとする考え方のことです。
日本全体としては年間三隣亡の慣習はなく三隣亡の「日」について配慮されていますが、山形県の日本海沿岸地域である庄内地方には年間三隣亡の慣習があります。
こうなると、庄内地方では「寅の年」「午の年」「亥の年」は1年間建設関連の仕事ができず、2022年も該当するということになってしまいます。
しかし、現実的に考えて建設会社が1年間仕事をしないということは難しいですよね。
この対策として、三隣亡の年に入る前の年(丑の年、巳の年、戌の年)にお祓いをして「仮り柱」を建てるというものがあるようです。
前の年に家を建てはじめたことにしておいて、災いから避けるという考え方からきています。
庄内地方にお住まいの方が新築を建てる際には、年間三隣亡のことも考慮して進めることが必要ですね。
三隣亡はもともと吉日だった?三輪宝との関係とは

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三隣亡は凶日ですが、もともとは吉日だったという説があります。
三隣亡の字は、本来は「三輪宝」と江戸時代の暦に記されていたようです。
三輪宝の字は「天」「地」「人」の3点(三角形)の中央に宝が位置することを意味しており、おめでたい吉日でした。
「屋立てよし、蔵立てよし」と記載されていた三輪宝を、ある年の暦の編者が「屋立てあし、蔵立てあし」に書き間違えたことで凶日となってしまいました。
そしてその後、漢字も「三輪宝」から「三隣亡」へ凶日にふさわしく変えられたという説がありますが、真偽は不明です。
このような説があるため三隣亡は信ぴょう性に欠けるということで、迷信とする意見もあります。
しかし信じている方もいるので、まわりへの配慮をする意味でも三隣亡の日に建設関係の行事などは避けるべきという考えは大切です。
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まとめ+関連記事
この記事をまとめると
- 建設関係や引っ越し、入籍などは、三隣亡の日を避けたほうがよい
- 自分が気にしていなくても周囲の方が気にしている場合があるので、配慮が大切である
- 和歌山県の一部では、お葬式も三隣亡を避ける地域がある
- 三隣亡と吉日が重なっている日があるので注意する
- もともとは凶日ではなく「三輪宝」という吉日であったという説がある