お盆には迎え火・送り火をやるイメージだけど、正しいやり方とかあるのかしら?
迎え火・送り火は、手順や決められていることがあるので、本記事で詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- そもそも迎え火・送り火とはどういったものか
- 迎え火・送り火のやり方・必要なもの
- 行う日付・時間帯
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もくじ
【迎え火・送り火とは】どういった目的で行う??
迎え火とは、お盆にご先祖様の霊を家に招くときの目印となるもの。
ツアーなどでガイドさんが持っている旗のような役割で、「自宅はこちらです」とご先祖様にわかりやすくお知らせします。
送り火とは、ご先祖様の霊を、無事にお墓まで送り届けるためのものです。
お盆の間自宅で過ごしてくれたご先祖様の霊が、「ちゃんと元来た場所に無事に帰れるように」という気持ちを込めて送り火を焚きます。
【迎え火・送り火】やり方・材料
言葉で説明するよりも、実際に動画で確認した方が分かりやすいかもしれませんね!
迎え火や送り火に必要な材料とやり方の動画をご紹介します。
材料・用意するもの
- ほうろく(素焼きの皿)
- おがら(木の枝のようなもの)
- チャッカマンなどの火をつけるもの
ほうろくは塩や米、茶葉などを、煎ったり蒸したりと手間暇かけて作られたものです。
家庭で使っているような普通のお皿とは違うんですね。
おがらは木の枝か割り箸のように見えますが、火がよく燃えるように、中が空洞になっています。
おがらは祭事の松明として使われたり、茅葺屋根の下地として使われていたりと、日本人にとって生活に欠かせないものだったんですね。
また、おがらの他にも松明・藁・キャンドル(ロウソク)を使うところもあるようです。
迎え火のやり方
現在は、自宅の玄関先などで迎え火を焚くというやり方が主流です。
迎え火というのは、ご先祖様の霊を迎え火の炎に見立て、自宅まで消さずに運ぶというものでした。
ですので以前は家族全員でまずお墓参りに行った後、お墓に灯した火を提灯に移し、迎え火が消えて絶えることがないよう気をつけながら、自宅まで持ち帰っていました。
提灯の火は、無事ご先祖様の霊をお迎えした後、玄関先で消します。
ところが現在は、以前のように必ずしも自宅の近くにお墓があるとも限らず、従来通りのやり方で迎え火を行うことが困難になってきたため、玄関先で焚くという迎え火のやり方が一般的となりました。
また自宅の近くにお墓がある場合でも、お墓参りで灯した火は墓前で消し、帰宅後改めて提灯に火を灯すというところや、
自宅のお仏壇の前で火を灯した提灯を玄関先まで持っていき、そこで1度拝んで火を消すなど、現在それぞれの家庭によってやり方は実にさまざまです。
ちなみに焙烙とおがらを使って行う場合は、おがらが全て燃え切るまで焚き続けましょう。
おがらの代わりに、盆提灯を使う場合もありますが、盆提灯も元々は迎え火が変形したものです。
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送り火のやり方
送り火は、迎え火とは逆の順番で行います。
本来の送り火のやり方はまず、玄関先で提灯に火を灯し、送り火を消さないようにお墓まで運びます。
ご先祖様の霊が迷わず帰れるように、道案内をしてあげるんですね。
提灯の火は、ご先祖様の霊を無事送り届けた後、墓前で1度拝んで消します。
現在は迎え火同様、送り火も自宅の玄関先で焚くケースがほとんどです。
この場合も、おがらはすべて焚き切ります。
迎え火・送り火を行う時間は決められているのか??
迎え火
迎え火を行う時間は、地域や家庭によってさまざまです。
一般的にはお盆の8月13日の夕方に行う地域が多いようですが、特にそういった決まりがあるわけではありません。
家が全員揃ってから迎え火の準備を始める家庭もありますし、時間を決めて、その時間にいる家族だけで行うという家庭もあります。
ご先祖様を想い、それぞれの家庭の都合に合わせて、時間は決めて大丈夫なんですね。
一般的に迎え火を夕方に行うというのが多いのは、13日の午前中にまずお墓の掃除をするというケースが多いからです。
それからお墓参りをして迎え火をするとなると、自然と夕方頃になるわけです。
また、迎え火は、「少し暗くなってから焚いた方が盛り上がる」という意見や、「霊は薄暗くなってから動き出すから」という考えもあるようです。
少し日が落ち始めた頃に優しく燃える炎を見ていると、なんだか本当にご先祖様の霊が来てくれるような、そんな温かい気持ちになりそうですね。
送り火
送り火は、お盆明けの16日夕方に行うのが一般的です。
ですが送り火も、「○○時でなければならない」という明確な決まりはありません。
それぞれの家庭の都合に合わせて、午前中に行うところもあれば、夕方、または夜暗くなってから行うところもあります。
迎え火と送り火の日にちはいつ?
迎え火は、8月13日の盆の始まりに行うのが一般的です。
東京や一部の地域など、地域によってはお盆が7月のところもあり、そうした地域の場合は7月13日に行うことになります。
元々お盆は旧暦の7月13日〜16日の期間を指すものでした。
現在のように地域によってお盆の時期が異なるのは、旧暦から新暦に移行した際に、旧暦通り7月をお盆とした地域と、旧暦のお盆の時期にあたる8月をお盆とした地域に分かれたからです。
8月にお盆を設定した地域が多いのは、7月はまだまだ農作業が忙しい時期だったからではないか、という説があります。
以前は今よりもずっとお盆の準備が大変だったので、農作業が一段落ついたところで、ゆっくり迎えようと考えたんですね。
ちなみに沖縄では、現在も旧暦通りにお盆を迎えているところがあります。
現在の暦に当てはめると、だいたい8月〜9月に該当するのですが、
その年その年で日程が変わるため、毎年確認が必要とのことです。
送り火についてですが、15日もしくは16日の夕方に行うのが一般的です。
ですが、実際は15日にお盆が終わるので、一部の地域や家庭では、15日に送り火を行うところもあります。
15日と16日に分かれるのは、「お盆が終わる日にお送りするか」「お盆が明けてからお送りするか」の考えの違いによるようです。
お盆の迎え火と送り火はまたぐ?その意味は?
地域によっては、お盆の「迎え火」「送り火」を、足で上からまたぐという不思議な習わしがあります。
火をまたぐのは、「無病息災」の意味が込めれらています。
家族全員で迎え火をまたぐことで1年間健康でいられることを祈ります。
またぐ方向にも決まりがあり、迎え火の場合は「外から玄関」に向かって3回、送り火の場合は「玄関から外」に向かって3回またぎます。
迎え火の行事は何がある?
迎え火のひとつとして、御招霊(おしょうれい)という伝統行事があります。
富山県や石川県、福井県など北陸地方の一部の地域で行われています。
地域の青年男子が大きな松明を振り回しながら川辺を練り歩き、他の住人は少し離れたところから、この様子を見守ります。
川辺を練り歩くようになったのは、大きな松明を振り回すことから、火の用心の意味合いもありましたが、あの世に見立てた彼岸から、三途の川を渡って帰ってくるご先祖様の霊をお迎えするという思いもあったようです。
また、送り火の有名な伝統行事といえば、京都市の大文字焼きや、長崎市などの灯籠流しや精霊流しがあります。
どちらも、ご先祖様の霊を無事送り出すために行われたものだったんですね。
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【まとめ】迎え火・送り火をやる時間は決まっているわけではない
迎え火・送り火のやり方や、いつ行えば良いのかなどについて解説しました。
地域によって、やり方もさまざまなため、近所の方がやっているのを参考にしてみるのも良いかもしれません。
時間も、夕方にやるイメージはあるものの、明確に決まっているわけではありません。
重要なのはご先祖を思う気持ちなので、方法に細かくとらわれすぎず、しっかりご先祖様に感謝しましょう!
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