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節分の鰯の頭(ヒイラギ鰯)はいつまで飾る?意味や由来、地域差がある?

節分の定番といえば豆まきと恵方巻きですが、地域によって鰯を食べる習慣があります。
そして、その鰯は食べるだけでなく、ヒイラギと鰯(いわし)の頭で作った飾りを玄関に飾る風習があります。
“節分=鰯”が結びつかない方が殆どだと思いますが、これは日本古来のモノで、今でも続けれている風習です。
そんな、地域によって今でも行われている風習の一つ、ヒイラギ鰯について詳しく紹介します。

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節分の鰯の頭(ヒイラギ鰯)はいつからいつまで飾る?地域に差がある?


出典:https://youtu.be/ipFDuawh-dg

知る人ぞ知る日本古来の風習であるヒイラギ鰯ですが、まずはそのヒイラギ鰯を飾る期間について紹介します。

ヒイラギ鰯を飾る期間

地域によって差はありますが、ヒイラギ鰯は節分の当日に飾るのが一般的となっています。
ちなみに、正月などに飾る縁起物といったモノは、当日飾る一夜飾りは良くないとされています。
この飾る期間も地域によっていくつかのパターンがあり、一般的には節分の日から2月の終わりまでですが、地域によって差があるのでその期間を紹介します。

《ヒイラギ鰯を飾る期間》
・小正月の翌日(1月16日)から節分の日まで
・節分の日のみ
・節分の日から2月末まで
・節分の日から一年間
以上、主に4つの期間が地域によって伝えられています。

他にも、小正月の1月15日から立春の2月4日までという地域や、ひな祭りまでという地域もあります。

節分の日の一日だけ飾る地域や、翌年の節分まで一年中飾っておく地域など様々で、鰯の頭が猫に食べられるまで飾っておく、もしくは鰯の頭が落ちるまでという変わった地域もあります。
古くから伝わる風習ではよくあるコトですが、ヒイラギ鰯を飾る期間に関しての地域差があり、必ずこうしなくてはいけないという決まりはありません。

節分の鰯の頭(ヒイラギ鰯)とは?作り方も

節分に飾るヒイラギ鰯とは、そもそも何なのかという疑問を持つ方は多いでしょう。
次に、ヒイラギ鰯の作り方も含めて紹介します。

ヒイラギ鰯とは

出典:http://ami-diary.net/setsubun-hiiragi-iwashi-3037

玄関先に魚の頭が刺さった葉や枝の飾りを“ヒイラギ鰯”と言います。
読んで字のごとく、ヒイラギの枝に焼いた鰯の頭を指したモノが“ヒイラギ鰯”です。

このヒイラギ鰯は、“門守”と言って魔除けの御守りのようなモノで、魔物や災難を避けるためのおまじないの一つとして昔から行われている日本伝統の風習です。

ヒイラギ鰯の作り方

魔除け・厄除けとして飾る、ヒイラギ鰯の作り方を紹介します。

【柊鰯の作り方】

《材料》
鰯の頭:1つ
葉のついた柊の枝:1本(20cm程度のモノを用意します)
《作り方》
1:鰯の頭をこんがりと焼く
2:ヒイラギの枝に鰯の頭を刺す
3:鰯のエラから目に向かって柊の枝を突き刺す
(※一匹丸ごと焼いた鰯から頭を切り離しても可)

ヒイラギ鰯の飾る場所や飾り方

基本的に完成したヒイラギ鰯は、魔除けや厄除け、鬼よけのために飾るので、飾る場所は玄関の戸口とされ、今では玄関先や軒先に飾ります。

先ほど紹介した通り、飾る期間には地域差があり決まっていないコトが多いので、お住まいの地域の習慣にならって外すのが良いでしょう。

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節分の鰯の頭(ヒイラギ鰯)を飾る意味や由来は?

出典:https://afun7.com/archives/1952.html

鰯は「弱し(よわし)」・「卑し(いやし)」が語源で、弱くて卑しく独特の匂いを持つ鰯を食べることは「陰の気を消してしまう」という意味を持ちます。
本来、つまらない・値打ちのないモノの例えとして使われ、「鰯の頭の信心から」ということわざのある鰯を、ヒイラギと共に飾る意味や由来について詳しく紹介します。

※「鰯の頭の信心から」=鰯の頭のようなつまらないモノでも、必要としている人にとっては、とても尊いモノに感じられるという意味。

ヒイラギ鰯を飾る意味

出典:http://illustrain.com/?p=10668

昔から、“ニオイのきついモノ”や“尖ったモノ”は魔除けとして用いられます。
鰯の生臭いニオイと、ヒイラギの痛いトゲは鬼の苦手なモノとされ、さらに鰯の頭を焼いたニオイと煙で、鬼が近寄ることが出来ないようにするためという意味もあります。
鬼の嫌がる“ニオイのきついモノ”や、“尖ったモノ”を組み合わせてたヒイラギ鰯は、鬼の侵入を防ぎ家を守るために飾られます。
それでも中に入ろうとする鬼には、ヒイラギのトゲが鬼の目を刺し、家の中へ入ることが出来ないのだそうです。
他にも、鰯の頭を焼いた煙で鬼をおびき出し、ヒイラギのトゲで鬼の目を刺して追い返すと言う説もあります。

また、節分にヒイラギ鰯を飾る理由は、節分が旧暦の大晦日だからです。
冬の最後の日となる節分は旧暦の大晦日で、次の日の立春は旧暦の元日となります。
現在では、新しい年を迎えるための魔除けや厄除けをする意味を持つヒイラギ鰯を飾る風習だけが残りました。

ヒイラギ鰯を飾る由来

平安時代に、紀貫之が書き記した土佐日記での記述が現在のヒイラギ鰯の由来とされています。

小家の門の端出之縄(しりくべなわ)の鯔(なよし)の頭、柊らいかにぞ。とぞいひあへなる。

この土佐日記の935年(承平5年)正月の記述が最も古く、歴史上最初のヒイラギ鰯に関する記述とされています。

端出之縄とは、現在のしめ縄の事で、鯔(なよし)の頭とはボラの頭という意味です。
この記述によって、当時の正月は門口に飾ったしめ縄にヒイラギの枝と鯔(なよし)の頭を刺す習慣があった事を意味します。
この記述が、ヒイラギ鰯の由来と言われています。

最初は、鰯ではなく鯔(ぼら)の頭を用いられていました。
鯔は、成長と共に名前が変わります。
そのため、いわゆる出世魚としての意味合いから“めでたいモノ”とされ、飾られていました。
ただ、いつから鯔が鰯に変わったのかは未だ不明なままです。
その後、江戸時代に民衆へ広まり定着していきました。

当時から飾られていたヒイラギの葉にはトゲがあり、そのトゲが鬼の目を刺して鬼の侵入を防ぐとされていました。
さらに、焼いた鰯の煙やニオイによって鬼が近寄らないとされ、鬼が嫌う臭気を放つモノとしてニンニクやらっきょうを用いている地域もあります。
他にも、鰯の頭ではなく尻尾の部分を飾る場合など、地域によって若干の違いがあります。

折り紙で作るヒイラギ鰯の折り方も紹介さているので、さすがに本物を飾るのはちょっとと思う方は、是非チャレンジしてみてください。


出典:https://youtu.be/S82mD1JkEVc

取り下げたヒイラギ鰯はどうするの?処分の仕方は?

出典:http://lifestylerecommend.com/533.html

役目を終えたヒイラギ鰯を、そのまま単なる生ゴミとして扱うのは避けた方が良いでしょう。
そんな、処理に困るヒイラギ鰯の処分方法を紹介します。

《柊鰯の処分方法》
・神社で焚き上げてもらう
・玄関先に埋める
・灰になるまで焼いて玄関先に盛る
・塩で清めてから半紙に包んで捨てる
以上の4種類があります。

加えて、以下の点にも気にしておきましょう。
・ヒイラギ鰯を取り下げるのが当年の2月4日であればその年のどんど焼き
・翌年の2月3日に掛け替える場合は翌年のどんど焼き

神社でお焚き上げをする場合、近くの神社で行われるどんど焼きへ持って行きますが、神社によって行っていない場所もあるので、事前の確認が必要になります。
ただ、どんど焼きへ行くことが出来ない場合や、近所の住宅事情を考えると、塩で清めてから半紙に包んで捨てる方法が無難で現実的なため、一般的に行われています。

節分の鰯の頭(ヒイラギ鰯)を飾る地域は?

節分のヒイラギ鰯は、地域によって昔から根付いている毎年の習慣となっています。
そんな、ヒイラギ鰯という風習が残る地域を紹介します。

ヒイラギ鰯を飾る地域

ヒイラギ鰯の飾りは、主に西日本で行われ、特に関西で盛んに行われています。

《節分のいわし飾りをする地域》
・関西(京都、大阪、奈良)
・西日本(広島、岡山)
・東海など(愛知、静岡、岐阜、栃木)
・東北(福島、青森)

ヒイラギ鰯を飾る境目となっている関ヶ原は、文化や習慣の境目となっていることが多く、地域差が生まれやすい境界線です。
関東以東では飾らないようですが、福島や青森には不思議とこの習慣が残っているようです。

地域によって違うヒイラギ鰯の呼び方

ヒイラギ鰯は地域によって、焼嗅(やいかがし)、やっかがし、やいくさし、やっさし、柊鰯、柊刺し、節分鰯と呼び方も様々です。
また、ヒイラギ鰯に豆柄(まめがら)やトベラ、もしくは家内安全の御守りを添える地域もあります。

※豆柄(まめがら)とは、種を取り去った大豆の枝
※トベラとは、トベラ科トベラ属の常緑低木で枝葉に異臭があるため魔除けに用いられる

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まとめ

魔除けや厄除けの意味を持つヒイラギ鰯は、鬼を寄せ付けず邪気を祓うという意味もあります。
ヒイラギ鰯の風習が残る西日本の地域によっては、節分の日に節分鰯といって鰯を食べる習慣が残っています。
そもそも、鰯にはタウリンやDHA、鉄分などが豊富に含まれているので、ヒイラギ鰯と共に節分に鰯を食べて病気の予防にも役立てましょう。
限られた地域の風習として残るヒイラギ鰯は、古き良き日本の伝統として受け継がれています。
是非、お住まいの地域にヒイラギ鰯の習慣が残っていれば行っていきましょう。

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